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【オリラジ中田敦彦】マルクスは、人類に夢を見せるだけ見せて大パニックに陥れた先生。しくじり先生での熱弁が最高に分かりやすかったのでまとめてみた。

しくじり先生 俺みたいになるな 2016年5月2日(月)放送

しくじり偉人伝 ”カール・マルクス” オリエンタルラジオ 中田敦彦

 過去に大きな失敗を体験した“しくじり先生”たちが「自分のような人間を増やすまい!」という熱意を持ち、生徒たちにしくじった経験を教えているバラエティ番組「しくじり先生」。

 しくじった芸能人が自らの体験を語るのが通常のコーナーですが、この番組の中には、エジソンやアインシュタイン、マラドーナやマイク・タイソンといった歴史上の偉人たちの「しくじり」を紹介する「しくじり偉人伝」というコーナーがあります。

 そのコーナーで2016年5月2日に放送された、カール・マルクスに関するオリラジ中田敦彦さんのプレゼンが非常に面白くて、勉強になりました。そのクオリティは、月曜日の21時台にマルクスという堅苦しいテーマで60分間持たせるほど。

 これはもっと多くの人に知ってほしい。その思いから、講義の内容をまとめてみました。

※10,000字を超える長文のため、お時間のあるときにお読みいただければ幸いです。

人類に夢を見せるだけ見せて大パニックを引き起こしたカール・マルクス(前置き)

この人物、見たことありますか?

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 カール・マルクス(1818年~1883年)です。プロフィールは次のとおり。

・ドイツ出身
・父は弁護士
・ドイツの名門ボン大学法学部に入学
・世界経済に大きな影響を与える

マルクスの出した有名な本のタイトルは?

資本論〈第1巻(上)〉 (マルクス・コレクション)

 マルクスは「資本論」(1867年)の著者として有名です。

 「マルクスなんて知らないし、資本論なんて難しそう」そう思う方も多いのではないでしょうか。しかし、あっちゃんは言います。「大人になって読んでみると、面白いじゃないか」と。だからこそ「伝えたい」と。

その前に、資本論以外の本は出していないの?わかりやすそうな本はないの?

 マルクスが出した本は、資本論だけではありません。こんな本も出しています。

哲学の貧困(1847年)

哲学の貧困 (岩波文庫 白 124-4)

共産党宣言(1848年)

マルクス・エンゲルス 共産党宣言 (岩波文庫)

経済学批判(1859年)

経済学批判 (岩波文庫 白 125-0)

 どれも難しそうですね…。

 そこで、資本論も含めたこの4冊の内容を、ぎゅーっとまとめました。

マルクスの主張を2行に要約すると?

「お金持ちと貧乏な人の
 格差社会をなくそう」

 これが、マルクスの思想の根幹です。

 どう思いますか?

 結構いいことを言っていますよね。

 実は、資本論は現代の日本でも売れ始めているというデータがあります。

 関連本を出している出版社は58社。さらには漫画化までされています。

資本論 (まんがで読破)

 現代の日本で資本論が再注目されているのは、日本に再び格差が生じてきているからです。みんなが幸せであれば、この本は買いません。

 お金持ち向けのタワーマンションはガンガン建てられています。ところが一方で、派遣切りや生活保護の問題はひっきりなしです。こうした格差の出現が、日本において資本論ブームが再興している要因なのです。

資本論はどれだけ読むべき本なの?

 「人類史上、最も読まれた」と言われている本は何か、知っていますか? 

ハリー・ポッターと賢者の石 - Harry Potter and the Philosopher's Stone (book 1)

 ハリー・ポッター?

 違います。

アンネの日記 (文春文庫)

 アンネの日記?

 これも違います。

 

 「人類が最も何に興味を示したか」がヒントです。

 ホテルとかに置いてあるあれです。

新約聖書 ─まんがで読破─

 聖書ですね。人類が最も興味を示したのは「神様に救われる」ことでした。世界中に協会はありますし、納得ですね。聖書の発行部数は約50億部(推定)です。

 そして、聖書の次に読まれているのが「資本論」なのです。

 信じられますか?

 信じられませんよね。しかし、それは現代の日本に住んでいるからかもしれません。資本論は、様々な国で熱狂的に読まれてきました。だからこそ、この実績となっています。

 これくらい影響力のある本は、現実にも強い影響を及ぼします。

 先ほど話に出てきたハリー・ポッターもそうです。現実でもハリー・ポッターの世界観を味わいたい、その願いから、USJの中にハリー・ポッターのエリアが作られました。ディズニーランドも同じです。

 しかし、ハリー・ポッターよりもディズニーランドよりも多くのファンを獲得している資本論は、それ以上の影響を現実世界に及ぼしました。

 それでは皆さん、聞いたことありますか??「資本論ランド」のことを。「マルクスパレード」を見たことありませんか?

 確かに、テーマパークではありませんが、あるものができました。

資本論によって作られたものとは?

 資本論によって作られたものとは何でしょうか。勘のいい方ならお分かりですね。

 「国」です。資本論によって、国が作られました。それでは、その国はどんな国でしょうか?

 ここで、先ほどの話を思い出してみましょう。資本論は2行で言うと何でしたっけ?

「お金持ちと貧乏な人の
 格差社会をなくそう」
 でしたね。

 格差をなくそうという理念に燃えた国ができたということです。その国を知っていますか?「資本論ランド」、「格差をなくそうランド」のことを知っていますか?

 ヒントは「当時、地球で一番大きかった国」です。

 その最も大きかった国の名前を「ソ連」、「ソビエト社会主義共和国連邦」といいます。当時面積が世界で最も広く、また、人口は約2億8000万人(1990年)でした。

 「ソビエト連邦」というのは変わった名前ですが、「ソビエト」というのは「評議会(話合いの場)」、「連邦」というのは「国の集まり」です。つまり、ソビエト連邦というのは、話し合いで進めていく国の集まりという意味でした。

 国の目標は、平等な社会です。

 これまで資本論に興味がなかった方、こう考えてみてはいかがでしょうか。

「とある理想に燃えたドイツの男が本を書いた。その本は聖書の次に読まれ、それに影響された人々が地球で一番大きい国を作った。」

 そう考えるとスケールが大きくなりませんか?この国行ってみたいと思いませんか?

 しかし、ソビエト連邦が今どうなっているか知っていますよね。ソ連はもう世界に存在していません。それはなぜでしょうか。その理由が、今日、全部わかります。

 

マルクスの偉業と知られざるしくじり(本論)

 前置きが長くなりましたが、ここからは、マルクスの偉業と知られざるしくじりについて解説していきます。

 こちらの番組は「しくじり先生」というタイトルですが、これまでのところ「しくじり」は見当たりません。しかし、プライベートでのマルクスのしくじりを探したら、見事にありました。

マルクスは高学歴ニートだった

 マルクスはニートでした。嘘ではありません。現代に例えると、働けるのに定職につかず、フラフラしているニートみたいなものでした。

 意外ですよね。経済の人なのに、経済的に自立できていなかったのです。経歴は先ほど見ましたね。大学は出ている、しかも学歴も高かったですよね。つまり、今で言うところの「高学歴ニート」だったのです。

 ここまでをまとめると、カール・マルクスとは
 世界経済に影響を与えたのにニートだった先生
 です。

 仕事はしなかった、ただ学歴は高かった。だから勉強はしていました。それではどういう学生だったのか、気になりますよね。

マルクスはどんな学生だったのか

 マルクスの学生生活は次のようでした。

 ・親からの仕送り 月約40万円
 ・年に約500万円を浪費し、そのうえ借金もする
 ・ブランド品を買いあさり、社交パーティーに出かける

 一言で言えば浪費家です。思い出していただくと、親は弁護士で、お金持ちだったためです。

 そんなイケイケだった18歳のマルクスの顔がこちら。

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 いい男ですよね。しかも金持ちで頭もいい。負け知らずですよね。そんな中で社交パーティにも出かけていた。こんな贅沢な生活ができるのは、親の仕送りがあるからです。

 それでは、仕送りがなくなったらどうしていたのでしょうか。働かないわけですから、卒業しました・仕送り止まりました・働いていません、そんな状態でどうやってお金を工面していたのでしょうか。

働かないマルクスはどうやって金を工面していたのか

 正解は、「親友に頼るヒモ生活」です。親友というのは男性ですし、もちろん恋愛ではなく、単なる「お金を頂いている関係」でした。その友達がどんな人か見てみましょう。

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 フリードリヒ・エンゲルス(1820年~1895年)です。エンゲルスはこんな人でした。

 ・ドイツやイギリスに工場を持つ社長の息子
 ・お坊ちゃんでお人好しな性格
 ・乗馬が大好き

 こんな人がいたらどうですか。やはりタカってしまいますか?

 しかし、こんな話をすると、たまたまお人好しの金持ちの友達がいたから助かっている、運の良いやつだなと、マルクスのことを思うかもしれません。しかし、マルクスは、こういう人を引き付けてしまう不思議な何かがあったと言われています。というのも、こんな不思議な体験もしています。

 友人の遺産を譲り受ける(総額約3000万円)

 こんなことありえるのでしょうか。普通、遺産は子供達親族に譲りますよね。友達にあげるということをリアルに想像してみてください。

 あなたは病に倒れています。もう先が短いかもしれない。資産は3000万円ある。それを誰かにあげたいと考えたときに、「友達のマルクスにあげてくれ」と言いますか?

 マルクスには、それくらいの魅力があったのかもしれません。

 しかし、金遣いはやはり”クズ”でした。

 遺産3000万円の使い道
 ・家を改築し家具を買いそろえる
 ・株を購入
 ・ホームパーティー三昧
 ・ペットを大量購入(犬3匹・猫2匹・鳥2羽)
 ・旅行三昧(イギリス・チェコ・アルジェリア)

 友人の遺産も使い果たしたマルクスはまたも金に困り、友人のエンゲルスに手紙を出します。その内容がこちらです。

「どうして こんなにも
 金が消えていくのか
 わたくし自身は
 不思議でなりません」 By Karl Marx

 エンゲルスは生涯でマルクスに対して合計1億円もの援助をしたそうです。

 しかし、たまには揉めることもありました。

 それは、エンゲルスが、恋人を病で失った悲しみを綴った手紙を、マルクスあてに送ったときのことです。マルクスはこんな返事をエンゲルスに返しました。

「そんなことは
 どうでもいい
 早く金をくれ!」 By Karl Marx

 最悪です。これに対してはさすがにエンゲルスもブチ切れ、こんな手紙を返しました。

「冷たい心を
 持っていると確信した
 そう思っておけばいい!」 By Engels

 ところがエンゲルス、時間が経ってほとぼりが冷めたらまたほっとけなくなって援助しはじめたとのことです。

 エンゲルスが人がいいのかもしれませんが、マルクスは本当に不思議な人ですね。

 そういった紆余曲折を経て、マルクスは最終的に64歳で寿命を全うし、永眠します。

こんなもクズなマルクスがどうして「資本論」を書くことができたのか

 ここまでの話を聞くと、格差をなくそうなんて本を書くから、節約家でお金持ちを批判する人かと思えば、全く違いますね。格差をなくそうと主張する人物と、金遣いの荒いクズな人物と、相当なギャップがありますよね。それを紐解いていきます。

マルクスのしくじりは「ヒモ」で「ニート」だったこと?

 端的に言うと、マルクスのしくじりはヒモでニートだったということかもしれません。しかし、よくよく考えてみると、本当にそうなのでしょうか。マルクスがヒモでニートだったことはしくじりではなかったのかもしれません。そう考えたら、さっきからある不思議さや違和感が解けるかもしれません。

ヒモでニートだったからこそ資本論を書くことができた?

 さて、ここでもう一度思い出してみましょう。資本論はどんな本でしたか?「格差をなくそう」という本ですね。

 それでは、格差をなくそうという本を書く人はどんな人でしょうか。お金持ちは書きますか?書きませんよね。現状に満足していて、貧しい人の気持ちがわからないからです。

 一方で、貧しい人は本を出すことができません。学問もお金もないからです。

 これをまとめると次のとおりです。

 お金持ち→現状に満足しているので格差に関する本は書かない
 貧しい人→本を出版するための学問やお金がない

 この構造では、「格差をなくそう」なんて本はこの世には出ないことになります。しかし、現実には「資本論」が書かれました。それはなぜでしょうか。

 マルクスは、生まれはお金持ちで学問もありますが、お金には困っていました。

 高学歴ニートだったからこそ、マルクスは世界を客観的に見ることができ、その気持ちを本にすることができたのです。

 だとしたらマルクスのヒモニート生活というのはしくじりだったのでしょうか。

 違いますよね。それでは、マルクスは何をしくじったのでしょうか。

マルクスの本当のしくじり

 マルクスの本当のしくじりは何だったのでしょうか。

 それは、
 資本論の終わり方
 です。

 資本論は次のような一文で終わります。

「私的所有の
 終わりを告げる
 鐘が鳴る」

 これはつまり、自由に商売ができ、成功してお金持ちになる人もいれば、失敗して貧しくなってしまう人もいる、現在の社会のシステムは、限界が来ていて崩壊する!」ということを言っているわけです。「終わるよ」といって文章を終えているわけです。これの何が問題でしょうか。

 通常であれば、「終わりますよ」と言われたら、どうすれば終わらないのか、終わらない方法を教えてくれよと思いますよね。しかし、これが書いていないで終わっているのです。

 つまり、マルクスのしくじりはこちらです。

「格差社会を終わらせた後
 どうすればいいのか書いていなかった」

 マルクスは、終わらせた後どうするかを書かずに死んでしまったのです。

 しかし、「終わるよ」という本に、心を突き動かされて何かを作りましたよね。多くの人たちが、地球の面積一番の何かを作りましたよね。

 そうです、国を作りました。しかし、マルクスはもう死んでいますし、本は何をすればいいのか書かれずに終わっています。

 さあ、どうします?

 自分が、ソ連がはじまったときの人だと思ってください。

 マルクスは死んでいます。本は終わっています。国は作らなければいけない。

 どういう気持ちでしょうか。

 聞くことができる相手もなく、自分でも判断しきれない。周りの人にどうしたらいいか頼るも、その相手もどうしたらいいのかわからない。そんな状態をこう呼びます。

 大パニック

 です。

 つまり、今回のテーマであるマルクスは
 世界経済に影響を与えたのにニートだった先生
 ではありません。

 人類に夢を見せるだけ見せて
 大パニックに陥れた先生

 です。

 まだまだ終わりません。人類史上最大のしくじりはここからはじまるのです。

 

真・マルクスの本当のしくじり(本当の本論)

ソ連の3大パニック① 農業部門

 今もそうですし、かつてのソ連もそうでした。大きな畑をもっているお金持ちの農家の方と、小さな畑しか持っていない貧しい農家の方がいます。

 平等な世界にするためにはどうすればいいでしょうか。

 まず、土地を平等に分配しよう、ということになりますね。

 さらに、土地によっては、日当たりの良い土地と悪い土地があり、収穫に差が出ます。これで出来高払いでは、給料に差が出て貧富の差ができることになりますよね。

 土地を分配してチームで農業をやっているんだから、日当たりのいいところと悪いところ、それぞれ作業する場は違っても、生産物はチーム内で平等に分けましょうということになりませんか?

 それでは、働く時間の長さはどうしましょう。給料と土地は同じですが、働く時間が不公平であれば、平等な世界ではありません。働く時間も同じにする必要があります。

 土地も平等、給料も平等、働く時間も平等。

 当時のソ連もそうしました。

 一見、これらは素晴らしい制度のように見えます。

 しかし、ソ連は最終的に崩壊しています。

 それでは、平等な土地・労働時間・給料で働くことの問題点は何でしょう。

 答えは
 みんなが怠けた
 ことです。

 これが一番有名なソ連の失敗例です。

 しかし、学校で怠けたって話を勉強したとき、誤解をしていました。相当数のよっぽど怠けるやつが、むちゃくちゃをしたのではないかと。でも、怠け方がどうだったかを考えてみると、当時のソ連の状況が見えてきます。

 想像してみてください。自分がその立場にたったとき、土地も平等で給料も平等ですが、一応決められた時間内は働きませんか?9時~17時の労働時間が定められているとき、サボって帰ろうと思いますか?帰りませんよね?だって、労働時間が決められていて周りの人が全員働いているのに、一人だけ先んじて帰ったらそのコミュニティでやっていけなくなりますよね。決められた労働時間のうちは作業をすることになります。

 あれ、少し待ってください。これって、怠けてないですよね。

 問題はこの先です。

 決められた労働時間で働いているみんなのところに、夜中、嵐が来ます。みんなはどうするのでしょうか?

 夜中たまたま起きた。嵐が来ていた。自分が作っていた野菜が、ビニールをかぶせないとグチャグチャになってしまうかもしれない。でも、働くと決められた時間ではないから、行かなくても怒られる義理はありません。

 バイトでもそうではないですか?夜中に「今お客さんが多くて大変だ」という夜勤のバイト仲間のツイートを見て、行きますか?シフトじゃないんですよ。バイト仲間が「夜勤ヤベーっす!今日お祭りですげー混んでます」とか言っているときに、行きます??行かないですよね。

 そういうことなんです。みんなちょっとずつしか怠けてないません。決められたことはやっています。しかし、その結果がこちらです。

 大飢饉で大パニック

 農業ってそれだけ大変ということですね。だって、今大きな畑を持っている人はどうしてそれを維持できたかというと、夜中でも一生懸命やってたからです。ソ連はそれを見落としていました。

ソ連の3大パニック② 商業部門

 今の現実世界では、ブランド物を買いあさる人もいれば、靴すら買うことのできない子供もいますね。それを変えたいと思って作ったのがソ連です。

 商業というと話が大きいので、具体的に服や靴で考えていきましょう。

 ブランド物の良い服や靴、シャネルとかグッチとかプラダとかそういうのをたくさん持っている人たちがいます。一方で、ユニクロの服やABCマートの靴ですら満足に買うことのできない人たちもいます。そんな状態でみなさんはどうしますか?

 全員に服を着せたいと思いますよね。

 それでは、その服はブランド品が良いでしょうか。

 ブランド品である必要はありませんね。

 そこで、そこまでコストの高くない、通常着られる服をみんなに行き渡らせることにします。これをソ連もやりました。

 これで、みんなが服や靴を着られる社会ができました。先ほどまで高価な服を着ていた人たちも、周りのみんなと同じ「普通の装い」をすることになります。また、先ほどまで普通の服や靴すら身に着けることができなかった人たちも、同じ服装をします。

 この結果どうなったのでしょうか。こんなことが起きました。

 商品がダサくなる

 想像してみてください。朝起きます。服を着ましょう。Tシャツは無地の白。下は普通のチノパンです。履くのも黒い地味な靴。その服を着て外に出ます。町を歩く他の住民も同じ服を着ています。気分はどうですか?上がりませんよね。テンション下がりまくりです。

 それでは、これは判断を間違えたのでしょうか。我慢すればいい話ですよね。だって、服を着ることができなかった世界よりはいいですよね。

 ここからさらに想像してください。みんな同じ靴を履いてもらいます。どこの店でも同じ安価な靴しか売っていません。ダサいし被るけど、一応みんな靴を履きます。ここでどんなことが起こるでしょうか。

 学生時代を思い出してみてください。学ランをみんな来ていましたよね。みんな同じ学ランです。でも、おしゃれな人は学ランをどう着ていましたか?袖をまくったりボタンをはずしてみたり、おしゃれな着こなしをしますね。そしてこれがもうちょっとエスカレートしたらどうなりますか?裏地に何が入りますか?ボタンはどうなりますか?

 人は同じ服を着ろと言われても少し変えるんです。服は厚さ寒さを凌ぐだけの物ではないんです。人々の個性を表現したり、その人の気分を上げるためにあるんです。そのことを見落としていました。

 それでは、裏地に刺繍を入れたり、ボタンを変えたりするのは、無料でやってもらえましたか?やってもらえませんよね。ということは、服屋に持って行って、少しお金を払うということですよね。それをソ連でもやったんです。

 つまり、ソ連の服屋さんは平等の給料ですが、ある服屋さんは刺繍をバンバン入れてくれます。ある服屋さんはまじめに売ってます。これで平等と言えるでしょうか。

 刺繍を入れてくれる店が爆発的に裏で儲けている一方で、なぜかわからないが真面目に服を売っている店に客が来なくなる。

 皆さんが作りたかったのは平等な社会ですが、今現れたのは不平等な世界です。

 つまり、商品に規制をかけた結果、商業の世界ではこんなことが起こります。

 賄賂で大パニック

 表向きは平等でも裏金を積む賄賂社会になってしまったのです。

ソ連の3大パニック③ 政治部門

 現在の政治には、政党という様々なチームが存在しています。どうして違うチームなのかというと、作りたい国の目標が違うからです。

 ところがどうでしょうか。ソビエト連邦という国は、平等にしたいという一心で始まりました。言うなれば「平等にしたい党」があるわけです。政党の数はいくつが妥当でしょうか。1つですよね。「平等にしたい党」1つの方が平等になりやすいですもんね。

 そこで、政党は1つにします。でも、政党内で揉めることもありますよね。そのときのためにリーダーが必要です。

 実際のソ連ではそれがレーニンでした。

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 レーニンは一人で歩かせていいでしょうか。SPが必要ですよね。ここでは4人のSPをつけることにします。

 レーニンと4人のSPの送迎をする車は軽トラでいいでしょうか。また、秘書は、綺麗な女性と普通の女性、どちらがいいでしょうか。住む場所は治安がいい場所と悪い場所、どちらがいいでしょうか。軽トラなんかよりもいい車を使い、綺麗な女性を秘書に付け、治安がいいところに住ませますよね。

 この段階でレーニンは、高級車にSP4人を連れて、綺麗な女性を隣に置きながら治安の良い場所に住むことになります。国民はレーニンのこの姿を目撃します。国民はどう思うでしょうか。

 そんな中、一人の部下がレーニンにこう言ってきます。「さすがに貧富の差が目立つので、防弾仕様のレクサスではなくてスズキの軽自動車にしましょう」と。レーニンはこの部下に対してどう思うでしょうか。自分の身を守るためにも、こんな部下は側に置きたくないですよね。

 こうして、ソビエト連邦の指導者は、自分にとって都合の悪い人間を排除していきます。その結果がこちらです。

 独裁者が生まれた

 流れを整理してみましょう。

 国の方針は決まっているから1つの政党でいい
→リーダーの力は強いほうが良い
→独裁的な行動を取り始める

 しかし、今のところ、指導者も無茶苦茶はしなさそうですよね。

 ここで想像してみてください。ギリギリのバランスで苦しみながら任務を遂行し、「独裁者になってきた」と言われながらも頑張ってきたレーニンがある日病で倒れました。

 次に指導者になるのはどんな人でしょうか。レーニンのことを羨ましいなぁと思っていた人がその立場に就こうとしますよね。

 つまり、初代の指導者がそのまま独裁者になるわけではありませんでした。独裁者の出現には時間がかかりました。

 問題の本質は、
 後継者が独裁者になって大パニック
 ということです。

ソ連崩壊へ

 農業・商業・政治すべてがダメになってしまったソ連は、最終的に崩壊します。

 ソ連は一体何につまずいたのでしょうか。

 それは、
 人間の弱さ
 でした。

 しかし、人間はすごく弱かったわけではありません。誰しもが、すごく怠けたりふざけた訳ではありません。

 マルクスの理想は間違っていなかったと思います。しかしその後でソ連を苦しめたのは、人間のほんの少しの弱さでした。

 

終わりに

 現代では、ソ連も崩壊して、マルクスの資本論は読まれなくなって久しくなりました。しかし、今、世界から靴を履けない子供はいなくなったのでしょうか。まだまだいますね。この世界は完璧ではありません。

 それでは、今、何が読みたいですか?資本論の続き、読みたくないですか?「続・資本論」を出して欲しいですよね。マルクスを超える天才が「続・資本論」を出したら、それはきっと聖書を超えるのではないでしょうか?そんな日を待ちながら、今日も全ての人間は世界中でしくじり続けているのです。

 

 

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