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会社を退職してフリーランスになることに対する批判は殆ど的を射ていない

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会社を辞めてフリーランスになること

 最近、というかちょっと前の話かもしれませんが、会社を辞めてフリーランスになることについて、はてなブログ利用者の間で話題になっていましたね。

 発端はこちらの記事で、私自身はこの記事をきっかけに楽しく購読させていただいています。

(↑勝手に言及させていただき、失礼します。問題がありましたらリンク削除しますのでお申し付けください)

 私自身は、同じく3年で退職した身でもあるので、この記事を読み、ブログだけで生きて行く道もありだと思い、応援したいと考えました。

 しかし、世の中には自分の常識の枠内でしか物事を捉えられない視野の狭い大先輩方が沢山いらっしゃるようで、この記事に対する批判も多く見受けられました。

 ここからは、こちらのあんちゃさんに限った話ではないので、一般論になりますが、退職してフリーランスを目指す人は、仕事が辛いのが嫌で逃げて楽したいから、退職してブログに専念しようとかそういうことを考えている訳じゃないと思うんですよね。

 多くの人にとって、仕事はあくまでの人生の一部でしかなくて、お金を稼ぐことが第一の目的にあります。そして、今は、ブログで稼ぐことが、通常の人が考えているよりもはるかに簡単な時代になりました。

 ブログでフリーランスになろうとする人は、多分、その方が書いているブログが軌道に乗り始めて、「これはうまくいく!」という感触を感じた方なんじゃないかと思います。

 書いた記事がヒットして、1日の間に1万円以上の収益が上がる経験をしたことがある人は、誰しもが思うはずです。この状態を毎日続けられれば月収30万以上になるし、いずれはもっと収益も増えて、サラリーマンとして働くよりも稼げるんじゃないかと。

 そのような方が次に考えることは、労力や時間といった自らのリソースをブログに費やしたい!ということです。

 しかし、そのためには、今現在の仕事がどうしてもボトルネックになるのです。毎日数十分かけて職場に行き、8時間以上働いて、また数十分かけて家に帰る。家に帰ったら、仕事のためのスーツなどをクリーニングすることなどにも時間をかけなければならない。サラリーマンとして働かれている方は、1日のうち少なくとも半分以上は、今の仕事のために費やされているのではないでしょうか。

 定期的な更新が大事と叫ばれているブログなのに、残業のせいで書けなくなることもあるでしょう。上司や同僚との人間関係から受けるストレスで、面白い記事を書けなくなることもあるでしょう。

 そういった要素を排除して、自分が「これが稼げる!」と考えた方向に自らのリソースを全て割くために、会社を辞めることが、そんなに非常識なことなのでしょうか。

会社を辞めることで得られるもの

 また、会社を辞めることで得られるものは、時間だけではありません。

 時間以外の「自由」も手にすることができます。

 それは、表現の自由とも言うべきものでしょう。

 いずれかの組織に所属している人間は、完全に自由な発言をすることができません。その組織の構成員である以上、どんなに個人的な発言であったとしても、その組織に迷惑をかける可能性があるからです。

 私自身も、国家公務員として働いていた当時は、表現について非常に強い制約を自らに課していました。

 丁度、復興庁参事官のtwitter上での暴言が社会問題になっていた時代でもあったからです。

 Facebookへの投稿は最小限に控える事はもちろん、ツイッターもやらず、ましてやブログなんて問題外でした。

 こんな風に自分の思いを文章で表立って表明する事は、決してできませんでした。

 もちろん、国家公務員だからこのような制約が強いというのはあるのでしょう。

 しかし、思うがまま自由に表現をすることができないというのは、どこの会社に勤めてる人も同じはずです。それは、例えばLIGのような、かなり開放的な会社に勤めている方であっても同様でしょう。

 つまり、会社を続けながらブログを副業にするなどというのは、時間的な問題だけでなく、表現の幅にも過大な制約を受けながら表現行為を行うものであり、現実的ではありません。

 そういったことに思いを巡らさず、ブログだけで独立しようなんて甘い!会社に勤めながらブログはできるじゃないか!などというのは、非常にナンセンスだなと思った次第でした。

 なお、私自身はブログでフリーランスになろうなんて度胸はなくて、いずれまた新しい職業に就くことを考えている人間ですので悪しからず。ただし、根本的なところは変わらないので、次は、最終的に自らの足で立つことのできる、個人事業主になれる仕事に就きたいと考えています。

 (でも、先日、下の記事で述べた、プロブロガー1日体験のおかげで、ブログだけで生きて行くのも悪くない現実的な選択肢だと思っていたり…)