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イギリスEU離脱決定!日本人に必要な2年間の対応【国民投票最終結果確定】

Splendid Isolation: One Hundred Thousand Words

国民投票の結果、イギリスのEU離脱が決定!!喜んでばかりもいられません

 このブログでも開票状況をお知らせしていましたが、国民投票の最終結果が確定し、イギリスのEUからの離脱が確定しました。最終得票数は、離脱派17,410,742票(51.9%)対残留派16,141,241(48.1%)でした。

 1973年に、オイルショックによる西ヨーロッパ諸国への打撃を契機として、アイルランド及びデンマークとともにECへの加盟が認められて以来、実に43年ぶりの歴史的かつ世界的な変革となります。

 このような歴史的な瞬間に立ち会えたことを、私たちは幸運と考えるべきでしょう。

 しかし、これは喜んでばかりいられることではありません。イギリスのEU離脱は、これまで世界的に「善」として推し進められてきた「グローバリゼーション」の流れに真っ向から逆らうものだからです。

 海外との窓口を制限し、自国の文化や生活を守ろうとした日本の鎖国は、その後、どのような結果をもたらしたか、思い出してください。イギリスは、そこまで極端な外交制限をするには至らないでしょう。しかし、海外の流れを汲み入れることなく、アメリカのAppleと韓国のSamsungに淘汰されることになった日本の携帯電話技術(いわゆるガラケー)を思い返してください。今、この世界において、グローバリゼーションの潮流に掉ささないことは、一時的な安楽を得ることにはつながっても、将来的な成長にはつながらないでしょう。

 民主主義制度に則って自分たちで決めた結果の責任を、イギリス人が受けるのは構いません。

 しかし、これまでの記事でも何度か触れているように、イギリスのEU離脱の影響は、イギリス国内だけにとどまるものではありません。

 単一市場を前提として、イギリスとEU諸国との間で商売をしていた企業はどうなるのでしょう。大国アメリカや中国に、一致団結して対抗しなければならないEUは、この後どのような道を歩むのでしょう。オバマ大統領も、世界経済のことを考えて、イギリスのEU残留を求めていました。世界的なリスクに伴う円買いは、更なる円高を招くことになるでしょう。

 イギリスに進出していた日本企業は、まさかこのタイミングで、イギリスがEUを離脱することになるなんて考えずに進出しています。もちろん、そのリスク自体は認識していたでしょうが、それについて熟慮を重ねたとは考えられません。それは、離脱までに、欧州連合条約(マーストリヒト条約)第50条に定められた2年以上の期間を要するとしてもです。今回の国民投票において、開票の最中まで、誰しもが今回の結果がどちらに転ぶかわからなかったように、イギリスの離脱は既定路線なんかではありませんでしたから。

 国民投票結果の出た本日2016年6月24日から2年後の2018年6月まで、日本の国内企業は、イギリスのEU離脱への対応のため、多額の投資を求められることになるでしょう。また、さらに恐ろしいのは円高です。円高の進行は猶予なく生じるため、国内の海外向け製造業は、大打撃を受けることでしょう。企業規模の大小を問わず、これらのことへの対応が求められています。

 個人レベルでは、これまで銀行などが販売していた外貨預金などの、外貨に関する金融商品は、すぐに解約すべきでしょう。いかにアベノミクスが成功しようと、リスク回避の円買いによる円高を避けることはできません。いずれ上がるかもしれないと考えているうちに、どんどん目減りすることになるでしょう。今の水準まで戻るには、リーマンショックのときがそうであったように、5年以上の歳月を要することでしょう。

 イギリスのEU離脱から受ける恩恵があるとすれば、それは、イギリス製の商品を日本人が買いやすくなるでしょう。バーバリーなどの高級ファッションブランドや、アストンマーチン・ジャガー・ロータス・マクラーレンといったイギリス車の価格は、ポンドの価値下落と円高により、以後数年の間、下がる傾向にあるでしょう。

 せっかくここまで立て直してきた日本が、イギリスの影響でまた落ち込んでしまうのは残念でなりませんが、なんとかして持ちこたえましょう。個人と企業、政府と国民が協力し、努力してこの危機を乗り越えれば、将来的な日本の立場は現在よりもさらに上昇しているはずです。