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シャブリ飲み比べ!モローorラヴノー「ソムリエ(甲斐谷忍)」それぞれの味わい(第2巻18話)

ソムリエ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 前回の記事はこちら。

モローのシャブリとラヴノーのシャブリ【ソムリエ(甲斐谷忍)第2巻18話】

 前回は、お手ごろ価格でロマネ・コンティに匹敵する味わいを楽しめる「カレラ・ピノノワール・ジェンセン」を紹介しましたが、今回は白ワインとして最も有名なシャブリの飲み比べのお話です。

 取り扱うのは、「ソムリエ」第2巻第18話(それぞれの味わい)。

 主人公佐竹城が務めるレストランのシェフが、グルメ雑誌に書かれた「古臭い時代遅れのフランス料理」という酷評から、引退を決意していました。佐竹城は、悪評にも負けず、ワインをバイザグラス(グラス売り)で提供することによって、順調に売り上げを伸ばしていたのですが、それでもシェフの決意は揺ぎません。

 そんな時、佐竹城はシェフに対して、店で提供しているシャブリの飲み比べを持ちかけます。2つのシャブリを用意し、あなたならどちらのワインを選ぶかと。佐竹城が用意した2つのワインがこちら。

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 1つは、モロー(J.MOREAU & FILS)のシャブリ・プルミエ・クリュ(CHABLIS PREMIER CRU)。ステンレスタンクで発酵・熟成を行い、コンピューターで温度管理をする、最新技術を駆使して造られたワインです。

  もう1つは、ラヴノー(Francois Raveneau)のシャブリ・プルミエ・クリュ(CHABLIS PREMIER CRU)。オークの小樽発酵という伝統的なワイン造りを行い、熟成したシャブリで有名です。

 シェフは、モローのシャブリを酸味が強くシャルドネらしい繊細さがある、ラヴノーのシャブリを力強いオークの香りと熟成した腰の強さがある、と評して、どちらも美味しいと語ります。どちらかを選べかと質問した佐竹城に対しては、「両方」と返答します。

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 つまり、伝統的な味も、時流に乗った味も、どちらも美味しいということです。

 そして、自分の伝統的なフランス料理を求めている客がいることを知ったシェフは、決意を新たにし、より料理の道に邁進することを決心するわけです。 

 ちなみに、「シャブリ」という言葉はワインを飲む時によく耳をするかと思います。牡蠣との相性もいいことから、「牡蠣とシャブリ」なんてこともよく言われますね。ただ、「シャブリ」が何を意味するのか、その実態をよくわかっていない方も多いかと思いますので、念のため解説させていただきます。

 シャブリというのは、もともとは地名に由来します。ボルドーに並ぶフランスの銘醸地であるブルゴーニュ地方の北部にシャブリ地区が存在しているのですが、その地区はキンメリジャンとよばれる石灰岩を主体にした、ミネラル分が豊富な土壌であり、素晴らしい白ワインの元となるシャルドネの栽培に適しています。そこでは素晴らしい白ワインが作られるようになり、シャブリ地区で生産されるAOCワイン(フランスの国家的な品質認証を受けたワイン)をシャブリワインと呼ぶようになったのです。

 一口にシャブリと言っても、その作り手によって、様々な個性のシャブリが存在しています。ワインの中でも特に飲みやすいシャブリですから、ワインの勉強の手始めに、飲み比べをしてみてもいいのではないでしょうか。

 もし、新しいグラスを買うのであれば、リーデルのヴィノムシリーズがオススメです。そこまで高すぎず、高品質なワイングラスです。あまりに安いグラスだと、材料に混ざっているプラスチックの匂いがワインの香りを壊してしまうのですが、ヴィノムシリーズはきちんとガラスで作られていますので、その心配もありません。また、ガラスが薄く作られているため、ワインの色を見るのにも適しており、舌触りもいいです。ヴィノムは、どのような種類のワインを飲むかによってグラスのタイプが分かれていますが、シャブリを飲むならシャルドネタイプですね!

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