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ボーヌ・グレーヴ・ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェズュ「ソムリエ(甲斐谷忍)」不正(第4巻45話)

ソムリエ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 前回の記事はこちら

ボーヌ・グレーヴ・ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェズュ(BEAUNE GREVES VIGNE DE L'ENFANT JESUS)【ソムリエ(甲斐谷忍)第4巻45話】

 前回は、名前に正義(JUSTICE)を冠した「ジュヴレ・シャンベルタン クロ・ド・ラ・ジュスティス」を御紹介しましたが、今回は、逆に、とある「不正」に関連するワインを紹介します。

 「ソムリエ」第4巻第45話(不正)に登場する、ボーヌ・グレーヴ・ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェズュというワインです。

 ソムリエ佐竹城が務めるレストランに、倒産した銀行の同僚4人組が、最後の晩餐として食事に訪れます。銀行が潰れた大きな原因は、上層部による不正融資や不良債権隠しに基づく信用不安。最後の晩餐を楽しむためにきた彼らも、話しているうちにどんどん雰囲気が悪くなっていきます。悲嘆に暮れる彼らの元に、佐竹城が曰く付きのワインとして持ってきたのが、「ボーヌ・グレーヴ・ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェズュ」というワインでした。

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 佐竹城は語ります。

 ボーヌ・グレーヴ・ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェズュを作っていたブシャール・ペール・エ・フィス社は、18世紀から続くブルゴーニュでも有数の生産者でした。しかし、ブドウが不作の年に、法律で禁止されている補糖と補酸の併用を行った上、補糖の量も規定を上回っていて、さらには他の地域のブドウまで混ぜたりするという不正を行っていたことが、1987年に発覚し、信用は失墜、会社は人の手に渡ってしまったと。最悪だったのは、不正が発覚した時に当時の経営者が「みんなやっているのにどうして私だけが摘発されるんだ!」と言ってしまったことです。

 しかし、そのワインを口にした4人組は、口を揃えてこう言うのです。

 「美味い!」と。

 不正発覚後に会社の経営者となったジョセフ・アンリオは、見事ブシャール・ペール・エ・フィス社のワインを復活させたのです!

 ただし、これで終わらないのがこのお話の面白いところ。

 佐竹城は続けます。不正発覚後、ブシャール・ペール・エ・フィス社に新しい経営者がやってきた時、従業員たちは一斉に古い経営者たちを罵り出します。今まで溜まっていた鬱憤や、不正に関する騒動のストレスが、全て古い経営者たちに向けられたのです。しかし、そんな時、一人の青年が立ち上がってこう言います。「「会社をダメにしたのは前の悪い経営者なのだ」揃いも揃ってさっきからそればっかりだ。そうやって他人に罪をなすりつけ、誰一人自分の過ちを省みるものはいない。それじゃ、「なぜ私だけが摘発されるんだ!」と言った経営者と、なんら変わりがないではないか!」と。

 もしかしたら、今あなたが勤めている会社、住んでいる社会、日本、世界で、同様の状況が起こっているかもしれません。誰しもが、自分の否を認めず、誰かのせいにする。しかし、構成員であるあなたにも、原因があるのかもしれません。

 自分の身に降りかかる不幸を誰かのせいにしてしまいそうになった時、反省と共に飲んでみるのも面白いかもしれません。

 ちなみに、このワインは、レザーボックスに入っているため、贈り物にするのにも適しています。ただしそんな時、上のような説教臭いをしたら相手にワインボトルで殴られるかもしれないので、蘊蓄の披露は控えるようにしてくださいね。

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