西尾維新物語シリーズの最新作「撫物語」を読んだ感想
ついにKindle版がリリースされた物語シリーズの最新作「撫物語」を読みました!
これまでただのウザい女子だった撫子を好きになれる物語ということでしたが、実際に読んでみると、相変わらず撫子にはイライラさせられました笑。
いつまでウジウジしているんだ! というね。
この撫物語でも、自分が努力する時間を減らすために自分の分身を作ろうとするなど、9割ほどのページではこれまで通りのダメな撫子ですが、最後の最後で撫子を見なおして応援する気になります!
見直すきっかけになったのは、撫子が分身の撫子にかけた次のセリフです!
ねえ、聞いて。ずっと同じ場所にいるなんて、誰にもできないんだよ。中学二年生にも、高校3年生にも、神様にも、吸血鬼にも。そんなことをしていたら、誰もいなくなっちゃうんだよ。永遠に待っていても、白馬の王子様は迎えに来てくれないし、ガラスの靴は届けられないし、すやすや寝たふりをしていても、キスで起こしてくれたりしない。だから、こんなところでいつまでも待ってないで、みんなのところに戻ろう。みんながあなたを、待ってるから。
これまでずっと受け身だった撫子が、ついに自分の力で前に進もうとしていることがわかる言葉です。
話の全体的な構成としては面白くありますし、鳥山石燕と鳥山明を並べるような西尾維新の言葉遊びの面白さは健在ですし、読後感は悪くないのですが、最後の10ページまで、撫子の子供っぽい言動に耐えられるかが試される小説だと思います。
それにしても、作者の西尾維新さんは、戦場ヶ原が更生した後のクレイジーな女性キャラとして、やたらと老倉育を愛していますね! この小説でも柔らかくなった老倉育が出てくるので、オイラーファンには是非オススメしたいです!