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なぜパラリンピックを見る気が起きないのか

 パラリンピックの楽しみ方: ルールから知られざる歴史まで

パラリンピックを見る気に、なぜならない?

 現在、リオデジャネイロパラリンピック真っ盛りである。

 バスケ日本チームのカナダ戦での活躍は純粋にかっこよかったし、女子テニスの上地選手は3位決定戦に進出するなど、錦織圭選手に匹敵する程の活躍を見せている。

 しかし、なぜだろう。パラリンピックについて、あまり世間の声を聞かないのは。別に偽善者ぶるつもりはないのであえて言うが、私自身も見ようという気持ちが奮い立たないのが実情である。

 せっかく、多くの選手が努力したその成果を見ることができる機会なのだから、もっと多くの人がパラリンピックを見るようになったらいいと思う。

 そのためには、まず現状を分析し、パラリンピックを見る気にならない原因を突き止め、原因解消にむけて動く必要がある。以下、思いつく原因をいくつかあげてみたい。

時期の問題

 パラリンピックは、オリンピックの閉会式終了後、時間をおいてから行われる。IOCとIPCの連携が弱かった北京より前の大会に比べればまだマシだが、それでも両者は別々の隔たれた大会のような印象は拭えない。

 オリンピックの開会式で気分を高揚させた観客は、一連の競技観戦後、閉会式で感動し日常生活に回帰していく。その後にやっと、パラリンピックが始まるのである。

 これでは、せっかく盛り上がったオリンピックムードが、パラリンピックまで持続しないのは当然である。

 宿泊施設のキャパシティなどの関係もあるのであろうが、可能な限りオリンピックとパラリンピックは連続性を持たせながら開催し、究極的にはオリンピックとパラリンピックを同時に開催すればいいのではないだろうか。

メディアの問題

 大衆にウケるものを扱う傾向にある資本主義社会のメディア特有の問題でもあると思うが、パラリンピックについて取り扱うメディアは少ないように感じる。どんなに素晴らしい活躍をしていようと、それを伝える媒体がなければその情報を受け取ることのできる人間は限られてしまう。

 だからと言って、マスコミが悪い!なんていうつもりはない。視聴者がパラリンピックに興味を持っていないからこそ、テレビや新聞はそれを大々的に取り上げないという構造があるからだ。

人々の心の問題

 もしかしたら、障がい者スポーツについて語ることを遠慮している人もいるかもしれない。健常者については、プレーのよかったところを褒め、ミスについてダメ出しすることもできるが、障がい者がプレー中に行ったミスについて、ダメ出しする声はいまだかつて聞いたことがない。

 私もそう思っていた人間の一人である。

 しかし、それこそ差別意識というものなのだろう。

 障がい者スポーツについて、よかったところはよかったといい、ダメだったとことはダメだったという。そのように会話の端々にパラリンピックのネタが出てくるようになれば、より多くの人がパラリンピックに興味を持つのではないだろうか。

ルールが分からない

 パラリンピック競技は、出場者が限定されているだけでなく、独自ルールが採用されていたり、独自の競技が導入されている場合がある。例えば、車いすテニスでは2バウンドまで許されているし、車いすバスケのトラベリングの基準がいまいち分からない。さらに、今回日本が銀メダルをとった、ボッチャという競技(フランスのペタンクみたいな競技?)に至ってはそもそも聞いたことがなかったりする。

 オリンピックにおいても、ルールがいまいち分からないマイナー競技の人気が低いように、そもそもルールが分かっていなければ、そのスポーツを見る気にはならない。パラリンピック競技について、事前に説明する番組を設けるといった工夫が必要ではないだろうか。

別世界のものになってしまっている

 観戦者がオリンピックに求めるもの。それは超人的なプレーである。サッカーでもレスリングでも柔道でもテニスでも、我々が体を究極まで鍛えれば至ることができるかもしれない至高のプレーを見ることができる。それを求めてオリンピックを見ていると思う。

 しかし、パラリンピックはそうではない。

 そもそも普通の人がパラリンピック競技に参加する余地がないため、健常者こそが蚊帳の外に置かれてしまっているのだ。だから、パラリンピックの枠組みの中でどんなに素晴らしいプレーをしようと、それに共感する視聴者はあまり出てこない。

 極論かもしれないが、健常者がパラリンピックの規制・ルールの中で障がい者と一緒にプレーするようになって初めて、健常者の意識がパラリンピックに向くようになるのではないか。

東京オリンピックは?

 残念ながら、2020年東京オリンピックも、8月9日に閉会した後、8月25日にパラリンピックの開会式が行われる。

 一番最初の「時期の問題」で書いたように、2020年のパラリンピックも、オリンピック熱が冷めた中開催されることになるものと予測される。

 しかし、そんな時、パラリンピックの盛り上がりに最も貢献できるのは、開催地の住民である。少しでも熱を与えられるよう、心がけたいものだ。

 

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  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2016/08/25
  • メディア: ムック