3年でエリート公務員辞めた結果…

月間30万PV以上!元国家公務員(総合職・旧1種)による備忘録。通称「さんエリ」

死ぬ前に会社を辞める勇気を

前置き

 本記事において、特定の人物や企業を貶める意図はありませんし、また、自分の生き方を肯定する意図も一切ありません

 また、安易に仕事を辞めることを勧めるつもりもございません

 以上に御留意の上お読みくださいますようお願いいたします。

「自殺」を選ぶ前の「会社を辞める」という選択肢

 最近、「仕事を苦にした自殺」に関するニュースを多く耳にします。平成28年度から、政府が「過労死白書」を出したことも影響しているのでしょう。

 どのような場合であれ、自殺した方が「死」を選ぶことになった本当の理由は、究極的には本人にしか分からないものであり、「仕事を苦にした自殺」と報道されたものの全てが、本当に仕事が辛くて死んでしまったものなのかは分かりません。したがって本記事では、そのような理由で自殺してしまう方がいると仮定した上で、話を進めます。

 

 仕事を苦にして自殺した方についてまず思うのは、どうして「会社を辞める」という選択をせずに、「死」を選択してしまったのかということです。

 もちろん、過労により精神を患い、正常な判断ができなくなり、突発的に自殺をしてしまう方もいるのでしょう

 しかし、「仕事を苦にして自殺した人」の全員が、精神疾患に陥っていたのでしょうか

 現在の日本では、比較的広く精神疾患を認定しているようですから、もしかしたら本当に、仕事を理由に自殺した人すべてが精神を煩っていたというのも正しいかもしれません

 しかし、精神疾患にしても、重度か軽度か、程度に差があると思います。

 中には、正常な判断をできないとは言えない状態で、「死」を選択してしまった方もいるかもしれません。以下、その仮定で話を進めます。

 理性が働いた状態で、仕事をやめることよりも死ぬことを選択するとすれば、それは「仕事を辞めることのハードルが、死ぬことのハードルよりも高い(と思ってしまう)状態」にある場合でしょう。

 会社に退職の意向を伝え、家族にもその意向を伝え納得してもらうというプロセスは、いざその段階になると、なかなか抵抗を感じるものです。

 そのような気苦労をして会社を辞め、さらに会社を辞めた後に不安定な生活を続けるくらいなら一瞬痛く苦しい想いをするだけの方が楽であると思う場合に「自殺」の選択肢を採ってしまうのでしょう。

 

 自殺すること自体が悪いことなのかどうか、私には分かりません。

 しかし、自らその生命を絶ってしまうことは、勿体無いことだと思います。

 それまでの人生の中で、自分が自分にしてきた投資と、その後の人生で得ることができたかもしれない楽しみを、全て放棄してしまう行為だと思うからです。

 

 確かに、職場の仲間が懸命に働いている中、会社に退職の意向を伝えるのは、その後の自分の評判等を考えると心理的なハードルが高く、切り出しにくいかもしれません。家族に対しても、家庭環境が変わるかもしれないことを告げるのは勇気がいることでしょう。

 しかし、死んでしまった場合だって、職場の人間からは(言葉に出さないにしても)一定の評価を下されるでしょうし、家族に苦しい想いをさせることになります。

 そうであるならば、死なずに会社を辞め、新しい生き方で自分の名誉を挽回し、苦労しながらも家庭を維持していける人生を選ぶ方がいいのではないかと個人的には思います。

 

 世の中には、「せっかく頑張っていい会社に入ったのに辞めるのは勿体無い」あるいは「会社員としての立場を失ったら、他人から否定的な目で見られるのではないか」といった思いで、死ぬほど辛い思いをしながらも会社勤務を続ける方もいらっしゃると思います。

 辛い思いをしながらも、それを乗り越えて、社会人生活を最後まで全うされる方は、偉大だと思います。

 しかし、企業のブランドだとか、社会人としての地位にこだわった結果、行き着く先が自死では、元も子もありません

 「有名企業に勤めていてカッコイイ」だとか、「会社に務めているのが大人としての正しい姿」だとか、そんなものは世間が勝手に作り出したイメージであり、虚像にすぎません。

 世間に流されながら自己満足に浸ろうとした結果、満足の行かない人生を送り早めに自らそれを終えてしまうことになったのでは、本末転倒です。

 幸いなことに現代社会では、会社に勤めていなくても、サラリーマンと同等あるいはそれ以上の収入を得る手段は存在しています。私の友人にも、新卒で入った会社を辞めた方が数名いますが、彼らが口をそろえて言うのは、「会社を辞めてみて、お金を稼ぐ手段がいくらでもあるということがわかった」ということです。

 だからと言って、「会社を辞めて自由な人生を送るべき」みたいなことを安易に勧めるつもりはありません

 しかし、もし会社勤めが辛くて辛くて駅のホームに訪れる度にある考えが頭をよぎってしまうような状態に追い込まれたときは、まず「死」を選ぶのではなく、辛苦の原因になっている「会社」から離れることを選ぶべきではないかと思います。

 「死」について考えるのは、会社を辞めた後の人生が行き詰まってしまったときでも遅くはありません

 

 会社の人間や家族に対して退職の話題を切り出しにくいときは、メールで「話があるので少しお時間をください」と申し出ることによって、心理的ハードルは格段に下がります

 会社を辞めた直後は、生活を立て直すまでの間、日本の社会保障システムに頼ってもいいでしょう。問題を全て自分で抱え込まず、家族や友人に相談してみれば、道が拓けることだってあります。

 自殺は、取り返しのつかない行為です。損失だらけで何も生みださない非生産的な行為を選ぶ前に、勇気を出してできることを全てやってみるべきだと私は考えます。

終わりに

 以上、仕事を苦にした自殺について、私の思うところを書いてみました。

 この記事を読んで、「考えが甘い…」、「ゆとり世代が生意気な…」、「若造がわかったような口を利くな…」など、色々思われる方もいることでしょう。そう思うのは自由ですし、他人の意見に流されるのではなく、自分の考えを持つのは素晴らしいことです。

 しかし、「自分の生き方が正しい!」、「自分の考え以外は認めない!」という頑なで心の狭い方の存在こそが、固定観念に凝り固まった日本社会を作り出し辛いのに仕事を辞められず死を選んでしまう人間を生み出しているのかもしれません。

 なお、私は仕事が辛いからという理由で会社を辞めた人間ではなく、冒頭でも書きましたように、本記事で自己を肯定するつもりは一切ございませんので悪しからず。