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【逃げ恥】みくりの逆ギレはアンダーマイニング効果なのでは?

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「逃げるは恥だが役に立つ」最終回でみくりが家事放棄!?

 ついに最終回をむかえた「逃げるは恥だが役に立つ」。

 ハッピーエンドで最後まで面白いドラマでしたが、最終回で、これまで完璧に家事をこなしていたみくりが態度を翻したシーンにはヒヤヒヤしたのではないでしょうか。

 具体的には、次のシーン。

みくり「いっそ、役割分担をやめましょうか。シェアハウスみたいに、自分のことは自分でやるんです。1人でもご飯を作ったり掃除したりしますよね」

津崎「でもそれだと、共通スペースをどちらも掃除しない可能性が」

みくり「じゃあ、家事の全部、私がやります。でもそれは、ボランティアです」

津崎「ボランティア?」

みくりあくまでボランティアなので、私が自分で、今日は御飯作りたくないと思ったら作らないし、今日は掃除したくないと思ったら掃除しません。ボランティアだから、ご飯ないんですかとか言わないでほしいし、部屋が汚いですとか言わないでほしい。だってボランティアだから。仕事じゃないから

津崎「みくりさん、話の方向性が…。」

 これまでみくりはお金をもらって家事を行っていましたが、正式な結婚を機に家事のやり方を見直していく中でこのような会話の流れになってしまいました…。

 津崎さんが珍しく男気を見せて、この問題はある程度穏便に解決へと向かいますが、このシーンを見ていて思ったのは、「これはまさにアンダーマイニング効果なのではないか」ということでした。

アンダーマイニング効果とは

 心理学は私の専攻ではないので、詳しい解説は別に譲るとして、アンダーマイニング効果というのは、「内発的動機づけによって行われた行為に対して、報酬を与えるなどの外発的動機づけを行うことによって、動機づけが低減する現象」のことです。要するに「一定期間、特定の行為に対して金銭等の報酬による外部的な動機づけが行われると、報酬が与えられなくなった瞬間に当該行為に対する意欲が失われる現象」だと理解しています。

 心理学をテーマにした漫画「サイコろまんちか」の2巻では次のように説明されています。

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サイコろまんちか(2) (月刊少年ライバルコミックス)

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  • 作者: 小出もと貴
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/01/09
  • メディア: Kindle版
 

本当にアンダーマイニング効果なの?

 もちろん、みくりはもともと家事が大好き!という人間ではなく、あくまでも仕事として家事をやっていたので、厳密にはアンダーマイニング効果ではないのではないかもしれませんが、これまで20万円弱の報酬を受け取りながら家事を行っていたことが、この段階になって逆効果になってしまったのではないかと思うのです。

 大学時代心理学を専攻していて、津崎のことを自尊感情が著しく低いなどと分析していたにも関わらず、アンダーマイニング効果という心理学的な落とし穴に気づかない内にはまっていたと考えたら、それもまた面白いのかなと。

 以上、少しひねくれた「逃げ恥」の見方でした。