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月間30万PV以上!元国家公務員(総合職・旧1種)による備忘録。通称「さんエリ」

てるみくらぶ社長は泣けば許されるわけじゃない!組織的詐欺罪で立件すべき

ネット時代に生き残る旅行会社

てるみくらぶ社長は最後まで責任を負うべき 

 格安旅行会社のてるみくらぶが破産したことに関して、2017年3月27日、記者会見が行われました。

 

 号泣する社長の画を見て、ぱっと見、可哀想だと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 しかし、よくよく話を聞いてみると、てるみくらぶがこれまでやっていたことは卑劣極まりないことがわかります。

 いっときの涙で済ますことのできる話ではありません

破産に至る経緯

 てるみくらぶはもともと、航空会社から売れ残った航空機のチケットを安く買い集め、それを利用者に販売することに寄って、リーズナブルな航空券を提供していた旅行会社でした。

 しかし、近年、航空機の小型化によりチケットが売れ残りにくくなり、てるみくらぶは格安航空券を提供することが困難になってしまったのです。

 そこで、てるみくらぶの経営を存続させるために社長をトップとして行われた決断が、「シニアマーケットの開拓」でした。

 要するに、高齢者をターゲットにして商品を販売することで、格安航空券ではなくても収益を挙げられるビジネスモデルへの転換を図ったのです。

 しかし、高齢者はインターネットの普及率が若年層よりも低く、これまでインターネットを中心に集客を行ってきたてるみくらぶは、高齢者へのアプローチ方法を模索しました。

 その結果辿り着いたのが、新聞広告です。各新聞社の新聞に、一面デカデカと広告を掲載するようになったのです。

 しかし、インターネットでの集客に比較して、新聞広告の掲載にかかる費用は莫大なものです。

 新聞社にもよりますが、一面全てに広告を掲載するためには、200万円~500万円の費用がかかります。

 会見の中で山田社長自身が説明していることではありますが、この広告費が経営を圧迫し、破産に至ったということです(それ以外にも破産の原因はあったのではないかということについて検討が必要ですが)。

てるみくらぶの被害を受けた利用者

 破産を発表する前から、てるみくらぶを通じて申し込んだホテルが、現地に行ってみるとキャンセルされていたという事件が多く発生していました。

 破産が発表された今でも、まさに海外旅行中の方もいらっしゃることでしょう。

 そういう方々に対して、会見の中でてるみくらぶ社長が発言していたのは、「もう一度料金を払ってもらえればホテルに泊まれる」ということでした。

 これ、会社経営者の発言としてありえなくないですか

 確かに、破産すれば私法上の責任はなくなるかもしれませんが、てるみくらぶを信用してお金を払い込んだ利用者に対してこの仕打ちとは・・・。もっと道義的な責任をもって誠実に対応されるべきではないかと思います。

 てるみくらぶが破産を発表した207年3月27日は、まさに春休みシーズンの真っ只中です。学生を中心として旅行に不慣れな人が、てるみくらぶを通じて旅行を申し込んでいたことでしょう。

 海外は一般的に、日本に比べて治安が悪い地域が多いです。

 そのような場所で、泊まる予定だったホテルに泊まれなくなった旅行者が現地で宿泊場所を見つけることもできず、街中に放り出され、犯罪の被害にあってしまったらどうするのでしょう。

 一体誰が、その責任を負ってくれるのでしょうか。

現在旅行中の被害者の方々へ

 当然のことながら、てるみくらぶの対応に憤りを覚えていらっしゃることと思います。

 しかし、まず第一に優先すべきは、旅行者自身の安全です。

 ある程度海外旅行に慣れている方であれば、Wi-fiの繋がる場所から、Booking.comなどのサービスを通じて新しいホテルを見つけることを最優先してください。

 海外旅行に慣れていない方は、街中に、日本人スタッフが常駐しているHISやJTBなどの大手旅行代理店の事務所があるかと思いますので、そこを訪ねて相談してください。必ず力になってくれるはずです。

 決して、野宿しようなどと思わないでください。

 空港などの比較的警備が厳重な場所であればまだしも、街中で野宿するなんて行為は自殺行為に等しいので、くれぐれもなさらないように注意してください。

てるみくらぶ社長は刑事的にも処罰を受けるべき

 てるみくらぶの問題がここまで大きくなってしまったのは、自転車操業状態が続いていたにも関わらず、「現金一括キャンペーン」などと大々的に新聞広告を打ち続け、多くの利用者からキャッシュをかき集め続けたことによります。

 社長としては、もはや、いつ利用者が申し込んだホテル等を提供できなくなる状態になってもおかしくないということを認識しながらも、現金欲しさに事業を継続してしまったのでしょう。

 さらに、破産直前の期間においては、もはや利用者へのサービス提供が困難であることを認識しながらも(故意に)、利用者には航空券もホテルも提供できると信じ込ませて(欺罔して)、お金を払わせた(財物を交付させた)のでしょう。

 この行為は、団体の活動として組織に行われた詐欺として、組織的詐欺罪(組織犯罪処罰法第3条第1項第13号、刑法第246条第1項)が成立すると考えられます。

組織犯罪処罰法

(組織的な殺人等)
第3条第1項  次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の活動(団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該各号に定める刑に処する。
 十三  刑法第二百四十六条 (詐欺)の罪 一年以上の有期懲役

刑法

(詐欺)
第246条第1項  人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

 もちろん、社長が刑罰を受けたところで、被害を受けた利用者の方が救済されるわけではありません。

 しかし、今後同様の被害を発生させないためにも、本件のような重大な事件を起こした張本人の責任は、しっかりと追及しなければいけないと思います。

終わりに

 再度となりますが、被害に合われた方々はまず、御自身の身の安全を確保することを優先してください。

 既に破産手続に入ってしまった以上、山田社長への責任追及は、今行ったところで功を奏しません。

 今回の件が許されざるべきことであり、利用者の方々のお怒りもごもっともですが、まずは今しかできない旅行を楽しみ、そして無事に日本に帰国することを優先していただければと思います。