3年でエリート公務員辞めた結果…

月間30万PV以上!元国家公務員(総合職・旧1種)による備忘録。通称「さんエリ」

東大ロー定期試験2017年夏の反省会(憲法・刑法・民法)

東京大学法科大学院ローレビューVol.11

定期試験(基本科目憲法・刑法・民法1・民法2)の振り返り

 9月1日、ロースクール最初の定期試験が終了しました。

 科目は、憲法・民法・刑法。

 基本(かつ根幹)の科目ということもあって、きちんと反省会をしておくと、後々役に立つかな思うので、少し反省会をしたいと思います。

総括

試験前の勉強

 今学期(2017年夏学期)は、7月半ばに授業が終わってから、8月末の試験まで、1ヶ月強の勉強期間がありました。

 さすがにその期間の全日程を全て集中して勉強にあてることはできなかったのですが、予備試験(7月半ば)後の燃え尽きを早々に切り上げて、7月25日くらいから試験勉強に向けて動き出すことができたのは良かった点。

 8月1日からは、「答案練習会」と称して、普段の勉強会のメンバーと、クラス内の未修の方(いわゆる純粋未修、つまり、2017年4月から法律の勉強を始められた方を指す)に声をかけて、ほぼ毎日答案を書く機会を設けられたのも、良かった点であるように思います。

試験当日

 司法試験や予備試験と異なって、大学の定期試験は、1日1教科というようなペースで行われます。「手も疲れないし、毎回試験直前まで勉強できるし、楽勝じゃん」なんて思っていましたが、これがなかなかに疲れました。なぜなら、みんなも同じ環境ですからね。他の人が頑張って勉強する以上、ある科目の試験が終わった直後から翌日の試験科目の勉強に移らなければならないというのを5日間続けるのは意外にしんどかったですね(;・∀・)

 各科目の振り返りについては後述しますが、自分としては、憲法で時間管理に失敗したため爆死したのが非常に心残り。憲法は、特に勉強したし、あと20分あれば自分的に完璧な答案が書けたのにというのは本当に悔しいですね。実際、憲法が終わって翌日の民法に向けた勉強をしなければいけないのに、その悔しさで感情が昂ぶってしまってました…。

 分かってはいたことですが、答案練習会でいくら時間管理の練習をしても、試験本番の独特の緊張感の中では上手くできなかったりするんですね。

 でも、憲法で時間管理に失敗したことを踏まえて、民法1と民法2では、いつも以上にしっかりと時間管理をするように心がけたところ、それらはなんとか上手くコントロールできたので、よしとしようかと思います。

 さて、それでは各科目の振り返りに移って行きましょう。

 なお、あくまでも私個人の見解であって、まだ答案講評会も行われていない段階なので、半信半疑で読んで頂ければと思います。正確な処理については、先生方による答案講評会の方で。

刑法の反省点

 問題形式は予想通りの事例問題×2。

 先生が事前に予告していたとおり、そこまで難しい問題ではありませんでした。過去の基本科目刑法と比較しても、かなり易しい問題だったと思います。

 

 第1問目は、正当防衛と、因果関係。

 正当防衛については、量的過剰と見せかけつつ、第1暴行と第2暴行の間で相手方の侵害が継続していないことから、それぞれ分けて論じるべきものであった。

 因果関係は、特に難しいところはなく、危険の現実化の基本的な理解をしていれば解けるもの。

 余裕があったので、一応、各論的な知識として、第1暴行について暴行罪の結果的加重犯としての傷害罪についても書いておいた。第2暴行については、傷害の故意ありと認定していいのか微妙。ただ、有形力を行使している以上、暴行の故意さえあれば傷害致死罪まで導くことができるため、そのような事情についても言及しながら、「少なくとも暴行の故意はある」とした。なお、第2暴行について、腹部を踏みつける程度であれば、殺意まで認定するのはおかしいように思う。

 

 第2問目は、住居侵入、窃盗未遂、強盗、殺人、盗品等保管罪、横領という各論のオンパレード。

 窃盗未遂については、「宝石を探し回る」という行為を物色行為とするべきか迷ったけれど、一般人の観点から窃盗の結果が発生しうる危険性があることから実行の着手ありとする余地があるものの、結果的にその後の強盗罪に吸収されることから独立の犯罪を構成しないという旨を述べて終わりにした。

 強盗については、事後強盗ではなく通常の強盗とすべき事案。問題文から、新たな強盗の意思形成が明らかに認められたため、「逮捕を免れる目的ではないから事後強盗罪とはならない」といったことは書かなかったが、書くべきだったのだろうか。

 なお、ここでポカをやらかした。なぜか強盗を交付罪であるかのように書いてしまった気がする。恐喝罪は交付罪であるが、強盗罪は交付罪ではない。試験の緊張は、本当に恐ろしいね。

 そして、強盗については、現場から誰にも見られずに1kmほど離れた時点で終了していると見て、その後の殺人行為については別個の犯罪として処理すべきであると思われる。1kmも誰にも見られずに逃走すれば、強取物の占有が完全に犯人に移転しているものと見るべきだからである。

 だから、その後の行為については、強盗殺人未遂ではなく、殺人未遂罪が成立する。なお、この際、改めて住居侵入罪が成立するという点は、見落としていた…。

 その後、強取物を預かったもう1人の犯人については、当初は故意がなかったため、犯罪が成立しないのは当然。私の答案では、その後気づけばその時点から盗品等保管罪が成立する旨を記載してしまったが、本当は、盗品等保管罪の性質(状態犯か継続犯か)で処理が異なるため、そのことについて論じなければならなかったのかもしれない。私は完全に、継続犯の前提で書いてしまった。

 さらに、強取物の横領については、判例が盗品について横領罪の成立を認めているため横領罪で処理してしまったが、答案を書く中で、この判例の理屈はなかなか通し難いことに気付いてしまった。なぜならば、横領罪は全体財産に対する罪であるところ、強取物についてはその所有は本来の所有者に未だ存し、本来の所有者の財産に含まれているものであるにも関わらず、横領罪の本質である委託信任関係の破壊については、強盗犯との間で考えなければならないからである。禁制品が窃盗罪の財物にあたる理屈と同様に、本来の所有者に当該目的物を戻すには一定の手続きが必要である旨を述べた上で、強盗犯についても強取物について保護すべき法益があるみたいなことを書いたけれども、これはやはり、厳密にいえば理屈が通らない議論であろう。横領罪はやはり、「占有」を保護すべき犯罪ではないからである。

 なお、盗品等保管罪について状態犯と解しても継続犯と解しても、いずれにしても横領罪(あるいは占有離脱物横領罪)とは、併合罪の関係に立つだろう。盗品等保管罪を継続犯とすれば点と線の関係になるし、状態犯とすれば、異なる点同士の関係になるからである。

民法1の反省点

 民法1についても、想定通りの事例問題×2。

 

 第1問は、錯誤無効と詐欺取消し、さらには消費者契約法4条(不実告知)による取消しについて論じるべき問題であった。錯誤についてはかなり薄く書いてしまった。時間と余白がもっとあれば、錯誤についてもしっかりした議論をすることができたのだが、時間内でできることはやりきったので後悔ではない。

 また、前述の消費者契約法に加え、区分所有法といった特別法まで出てきたのはビックリ。特別法は加点要素として落ち着いて処理するのみ。

 担当の先生は、債権法が本来の専門ということもあって、不当利得や不法行為についても一応書いておいたけれど、こちらに時間をさくのが正解だったのか、前述の錯誤無効をもっと厚く論じるのに時間と紙面をさくべきだったのかは分からない。

 

 第2問は、取得時効メインの問題。

 問題文の中で、善意者による時効取得をほのめかしている部分があったものの、その時点では9年しか経っていなかったのは、どういう意図だったのか。1995年12月末から2005年正月だと、9年しか経っていないですよね?(試験中、先生に間違っていないか確認したものの、間違っていないとのこと)

 また、取得時効完成後の再度の時効取得は、第三者が「登記を備えた」時点から進行するということを、試験直前に友人と確認していたため、助かった。

民法2の反省点

 民法2についても、ある程度想定の範囲内の出題方式であった。問題の量がかなり多く、メリハリをつけて回答を書かなければ時間内に書き終わらないので、その想定で答案練習会で問題を解いておいて本当によかったと思う。

 配点は、「メインの事例問題」が一番大きく、その次に1行問題、最後に「簡易な事例問題×3」だったため、配点の大きいメインの事例問題から解くことにした。

 なお、憲法で、事例問題から解かなければ痛い目を見るという経験をしていたため、その点でも事例問題から解いて正解だった。

 

 メインの事例問題は、賃貸借契約や請負契約について、債務不履行責任や瑕疵担保責任を問い、それに加えて不法行為による損害賠償についても検討することを求められる問題であった。

 賃貸借契約における債務不履行解除については、問題文から事実を拾って、上手く原則修正をしないと適切な回答が導けないように思い、そのように処理をしたが、それが吉と出るか凶と出るか。一応、点数を拾いに行くために借地借家法の賃料減額請求についても言及した。また、解除については将来効しかない賃貸借契約であるため、解除によって賃料の返還請求が認められるのかについても言及することを求められているように思い、言及した。

 あとは、留保解約権による約定解除の場合の事前告知期間についても、債務不履行による法定解除には適用されないという処理をしたが、果たしてそれでよかったのだろうか。

 請負の瑕疵担保責任については、期間制限について言及しなければいけなかったのに(原則引渡しから1年。ただし、非堅固建物なら5年、堅固建物なら10年。)、言及し忘れた…。問題文の最後に「特別法の問題は検討しなくて良い」と書いてあったのは、住宅の品質確認に関する法律について言及しなくていいよという意味だったのかと今更気づく。最悪である。

 

 簡易な事例問題については、授業のプリントからの抜粋だったので、プリントの問題をもう少しきちんと復習しておけばよかった。

 

 一行問題については、例外的に第三者に対して契約の効力が及ぶ場面ということで、賃貸借契約の対抗力について論じた。人によっては、これについて「第三者のためにする契約」と言っていたけれども、第三者のためにする契約は、第三者が当事者になってしまうので、これは違うだろう。なお、一行問題は選択式で、もうひとつは不法行為における受忍限度論について論じるべき問題であった。試験終了後に周りの人に聞いてみると、こちらの問題を選択した人が多かったようだが、受忍限度論ってかなり難しいよ。そもそも、成立要件ではなくて、違法性阻却事由となるという考え方もあると思うので(個人的にはこのように理解している。なぜならば、「宴のあと」事件判決では、表現の自由とプライバシー保障の対立にかかる受忍限度論的論証を、不法行為に関する違法性阻却事由の中で論じているからである)。

憲法の反省点

 前述のとおり、憲法については反省しかない。

 最悪の極みである。

 冒頭でも書いたけれど、失敗の原因は、時間管理。

 一行問題について、2問とも、答案練習会の問題と丸かぶりしていたため、調子に乗って書きすぎた結果、事例問題に割く時間が50分程となってしまったのである。

 その結果、重要な論点を落としまくるという、最悪な答案になってしまった。

 もっとも、配点としては一行問題50点、事例問題50点であったため、それくらいのズレなら許容範囲ではあるのだけれど、でも、そこでパニックになってしまったのがよろしくない。時間内に書ききることだけを考えて、深く考えられなかったのである。

 先生が講評会でどのようにおっしゃるかは分からないものの、私個人としては、本来的には、論じるべき事項は次のとおり5つあったように思う。

1 条例による内心の自由に対する制約(法令違憲の検討)

2 地方公務員法による表現の自由に対する制約(法令違憲の検討)

3 条例の規定の該当性(「法律の留保」充足性の検討)

4 地方公務員法の規定の該当性(「法律の留保」充足性の検討)

5 比例原則違反による行政裁量の逸脱濫用(適用違憲の検討)

 簡単に言えば、それぞれの内容は次のとおり。 

1 条例による内心の自由に対する制約(法令違憲の検討)

 ピアノ伴奏訴訟や国旗国歌訴訟を参考に、内心の自由に対する制約ありとした上で、違憲審査基準によりその正当化を論じるべきであった。

 具体的な基準については、確かに内心の自由は重要な精神的自由であるものの、あくまでも外部的行動を規制する間接的制約であり、また、公務員であることの特殊性があることから、合理的関連性の基準(又は実質的関連性の基準)で判断すればいいように思われる。

2 地方公務員法による表現の自由に対する制約(法令違憲の検討)

 地方公務員法についても、法令自体の検討を一応する必要がある。もっとも、本件で問題となる地方公務員法33条は、同条は「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」と規定するのみであることから、それ自体直接に何らかの基本権を制限するものではない。

 表現の自由が制約されているようにみえるものの、それは、地方公務員法33条の規定と、事前に提出した誓約書があいまって生じている事態である。誓約書については、何ら法令の委任を受けたものではなく、アドホックに用いられているものであることから、法令事態の違憲性を論じる手がかりとすることは適切ではない。

 もっとも、「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」という文言は曖昧として不明確であることから、表現の自由等に対する萎縮効果を生じさせ、違憲となるという見解が想定される。

 ここで思い出すべきなのは、堀越事件判決である。

 堀越事件判決はまず、「政治的行為」という文言を用いた人事院規則が漠然不明確性ゆえに無効とならないように、実質的関連性の基準を念頭に置いて「公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められる政治的行為」と限定解釈した上で、実質的関連性の基準を用いて合憲にしている。

 本件でも、それと同様の議論ができるように一見思われるものの、残念ながらそれはできない。なぜならば、堀越事件で問題となった国家公務員法の規定はその詳細を人事院規則14-7(政治的行為)で定めているところ、政治活動の自由(憲法21条)と衝突することが明らかだった一方で、本件では、そのような人事院規則のような具体的な規定もなく、どのような権利と衝突するのかが分からないからである。

 したがって、「表現の自由」の価値を念頭に、地方公務員法33条の規定を「当該行為により公務員の職の信用を傷つけ又は職全体の不名誉となることが実質的に認められる行為」だとか、「当該行為により公務員の職の信用を傷つけ又は職全体の不名誉となることが明らかに切迫している行為」などと限定解釈をすることは適切ではない。

 地方公務員法33条の規定は、たとえば収賄や饗応、飲酒運転などといった表現以外の行為についても適用されるものであり、表現の自由だけを念頭に限定解釈することは適切ではないからである。なお、表現の自由について適用する場面において、限定的に適用すべきであることについては、「4 地方公務員法の規定の該当性」の中で述べることにする。

 それでは漠然不明確性ゆえに無効としてしまうのが適当だろうか。私自身はそうは思わない(着地点から考えるのは望ましいことではないが、あえて言えば、上述のように、地方公務員法33条の規定は収賄や饗応、飲酒運転などといった犯罪的な行為にも適用されるものであるところ、この規定を完全に無効としてしまうのは、逆に社会にとって不利益が大きいように思われるからである)。

 地方公務員法33条が漠然不明確性ゆえに無効とならない論理的な理由は、対象が公務員だけであることから導くのが適当なのではないだろうか。つまり、次のように論じるのである。

 地方公務員法33条が適用の対象とするのは、同法上の「地方公務員」のみであり、地方公務員は通常の国民よりも法律に接する機会が多く、また、職員向けの研修によって法令の解釈の能力も担保されていることから、明確性の要請が通常国民よりも低い。また、地方公務員には定期的に倫理研修が実施されているものと考えられることから、地方公務員が「職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為」という文言を見れば、それがどのような行為なのか、具体的に想起することが可能であり、当該規定が表現の自由に対する萎縮効果を生じさせているとはいえない。したがって、地方公務員法33条は漠然不明確性ゆえに無効とはならない。

3 条例の規定の該当性(「法律の留保」充足性の検討)

 本件条例自体が上述の通り法令違憲とならないとしても、そもそも本件事例が当該条例の規定にあてはまるのかについては、検討しなければならない。そして、本来、その判断は、条例の目的なども踏まえて考える必要がある。もっとも、本問では条例の目的が定かではないことから、目的がどのようなものかについていくつか回答者の側で想定した上で、軽く場合分けをしながら書く必要があったように思われる。

 すなわち、「学校内の統率」を目的とするのであれば、当該行事が行われている学校の教職員のみが当該規定の対象となる一方で、「学校行事において儀礼通りに行動することで、Y市内の教職員に対する信頼を保護すること」を目的とするのであれば、当該学校の教職員のみでなく、来賓として参加した他校の教職員もその対象となると考えるのである。

4 地方公務員法の規定の該当性(「法律の留保」充足性の検討)

 地方公務員法についても、上述の通り違憲とならないとしても、そもそも本件事例が同法33条に当たるのかについて検討しなければならない。

 上述したが、この場面において、表現の自由の価値を踏まえて、適用場面を限定することが考えられる。具体的には、「表現については、職の信用を実際に傷つけた場合にのみ、地方公務員法33条に該当するとして処分することが許容される」あるいは「社会的相当性を逸脱するような態様で職の信用を傷つけた場合にのみ、表現行為について地方公務員法33条に該当するとして処分することが許容される」などといった感じ(行政処分ではあるものの、刑法における正当行為による違法性阻却とパラレルに考えるのである)。

 このように考えると、本件事例においては、地方公務員法違反として処分が許容されるものではないものとなるように思われる。なぜならば、誓約書の存在は、通常公開されているものではなく、それに従った行動を取らなかったからといって直ちに誓約内容違反が外部に露見することはなく、職の信用を傷つけることにはならない。また、国歌を歌わないことについても、本件での原告の発言内容にしても、実際に職の信用を傷つけているものとみることはできないからである。したがって、この部分については違法となるものと考えられる。

5 比例原則違反による行政裁量の逸脱濫用(適用違憲の検討)

 本件事例が国旗国歌条例に該当するかは定かではないものの、該当する可能性がある。その場合、法律の留保の問題はなくなるが、比例原則を満たさなければ裁量の逸脱濫用として違法となるため、それについても判断する。なお、以上の流れにより、地方公務員法33条にはそもそも違反しないものと考えているので、条例違反を理由とする処分についてのみ論じる。

 法律の適用をする行政権の裁量逸脱を判断する際の比例原則について、違憲審査基準論を持ち込んでいいのかは分からないが、厳格基準(compelling interestの基準)、実質的関連性の基準、合理的関連性の基準は持ち込んでもいいように思う。なぜならば、比例原則の内容である①必要性、②適合性、③狭義の比例性(比較衡量)とやっていることは変わらないからである(なお、この場面において実質的関連性の基準の代わりにLRAの基準をここで使うのは個人的に抵抗がある)。

 純粋に本来の比例原則を用いる場合、何と何を比較衡量するかが、③狭義の比例性の観点で問題となる。

 直接的には、1ヶ月分の減俸であって数万円の経済的不利益にすぎないが、よく考えると、本件処分によって内心の自由に対する間接的制約も生じていると考えることもできる。

 また、ここでも問題となるのは、本件条例の目的である。目的が分からない以上、何を「規制によって得られる利益」として比較衡量の対象としていいのかが定まらないからである。ここまでの論述の中で、条例の目的について場合分けをして論じているだろうから、自分が設定した目的をもとに、それによって得られる利益を導いて比較衡量することになると思われる。

おまけ(どのような場面で憲法が問題となっているのか)

 なお、以上はあくまでも処分の違法性を根拠付ける主張である。憲法の問題であるためそこまで本質的ではないものの、どの場面において憲法上の問題が生じているのかを適切に把握することも求められているものと思われる。

 本件では、公務員に対する処分の取消訴訟(行政事件訴訟法3条2項)が行われており、その訴訟要件を満たした上で上記の主張をしているということも冒頭で言及しておけるとよかったものと思われる。なお、地方公務員法33条の関係では、審査請求前置主義(地方公務員法51条の2)の規定があり、これらも含めて訴訟要件を充足している前提で話を進めることになる。

おわりに

 試験の結果について振り返ってみると、心が抉られますね。

 自分のミスがどんどん発見されて…。

 特に、私が実際に提出した憲法の答案はひどすぎるなぁ。ほんと。

 まあでもね、定期試験は、定期試験なんで、ここで得た教訓をもとに、司法試験本番に向けて実力を伸ばせればいいなと思います。