中国でガソリン車が禁止に?
中国政府は、ガソリン車の製造・販売を禁止する方向に動いています。
ガソリン車とは、ガソリンを燃料にして走行する車のことで、現在世界で流通している自動車の殆どはガソリン車です。
これは自動車産業を軸に産業を発展させてきた日本にとって大打撃となるように思われます。現在中国は自動車の世界一のマーケットとなっており、そこでは日本車が「爆買い」されているというのが現状なのですから。
ガソリン車廃止の流れは、イギリス・フランスにおいて先行しており、中国は北京などの大気汚染問題も踏まえ、企業保護といった経済的な目的ではなく、欧州諸国に追随してガソリン車廃止政策をとろうと説明しています。
しかし、実際のところ、これまで自動車産業で発展してきた先進諸国に対する牽制の意味合いがあるものと思われます(自動車大国であるドイツやアメリカといった国々がこれらの施策を未だ実施していないことから見ても)。
日本企業に目を向けると、世界的な自動車シェアを誇るトヨタも、その主軸はハイブリッド車のプリウスであって、電気自動車ではありません。
プリウスにも、プラグインハイブリッドのモデル(プリウスPHV)があって、主に電気をエネルギーとはしているものの、完全に電気だけで走行するモデルはないのです。
それ以外の国内企業に目を向けると、三菱のi-Mievはそこまで知名度があるとは言えませんし、ホンダに至ってはかつて販売していたフィットEVやアコードプラグインハイブリッドの製造を2016年に中止してしまっています。
日本国内においてまともな電気自動車は日産のリーフくらい。
もっとも、中国においても、ガソリンを使用する車の全てを禁止してしまうと、実際に製造販売できるのがテスラモーターズの車や日産リーフなど極一部だけになってしまい現実的ではないことから、恐らくハイブリッド車は許容されることになると思われます。
最近、仮想通貨にしても北朝鮮問題にしても中国の存在感は増すばかり。
これまで先行者利益とブランド力によって優位に立っていた日本企業は、今回の中国の施策によって大きな正念場を迎えることになるでしょう。
安全快適で、多機能で、速く、デザインもいい電気自動車の開発が、日本企業において成功することを祈るばかりです。