3年でエリート公務員辞めた結果…

月間30万PV以上!元国家公務員(総合職・旧1種)による備忘録。通称「さんエリ」

物価が上がってるのに給与所得控除を下げるってアリ?

給与所得控除って、好き勝手に下げていいもの?

 自民党の税制改正案が発表になり、その中でも所得税に関する基礎控除と給与所得控除の変更に関する内容が話題になっています。

 NHKによると、その概要は次のとおり。

 会社員などの所得税の負担を軽くするために給与から一定額を差し引く給与所得控除は、まず、すべての人を対象に10万円縮小します。そのうえで、所得の高い人については控除の上限を引き下げ、年収800万円以上の人は一律190万円で線引きします。

(中略)

 会社員や自営業などすべての納税者が対象になる基礎控除は、控除の額をより10万円引き上げて48万円に増やし、税負担を軽くするようにします。ただ、これも所得が2400万円を超える人は控除の額を徐々に減らし、2500万円で控除がなくなるようにします。

引用:所得税控除見直し “年収800万円超で増税” 最終調整へ | NHKニュース

 

 この中で特に気になるのは、給与所得控除の縮小について。

 給与所得控除額が減るということは、サラリーマンはその分税金の金額が上がることになるわけですが、これって、みんな自営業(あるいはフリーランス)になれってことなんですかね…。

 なんて冗談はさておき。

 世間一般の認識として、給与所得控除というのは、サラリーマンが働くためにかかる必要経費を所得の金額から控除するというものであるように思います。

 自営業者の場合、800万円の売上を出したとしても、事務所代や仕入れ代などが500万円かかっていれば、それを必要経費として差し引いて、所得は300万円として税金が計算されます。

 それと同様に、サラリーマンも、働くためにはスーツや革靴の購入、化粧等でお金がかかりますから、給与のうち一定割合を労働のための必要経費として差し引いて所得を計算する。それが給与所得控除だったはずです。

 デフレの局面であれば、給与所得控除を減らすのも分かります。スーツ等の価格が下がり、働くために必要な経費の金額も下がるからです。

 しかし、今や日経平均が22000円を超え、イザナギ景気を超える好景気の時代(ということになっています)。

 物価も、ここ数十年に比較して上昇しています。

 それにもかかわらず、給与所得控除を減らすなんていうことが許されるのでしょうか。

 要するに、物価は上昇していて必要経費はあがるけど、給与から控除する金額は減らすので、その分は労働者の自己負担ね、と言っているようなものです。

 しかも、今後もアベノミクスで物価の上昇をさせる気が満々のくせにです。

 こんなことをするくらいなら、そもそも給与所得控除を全面的に廃止して、サラリーマンについても必要経費を自己申告させるようにすればいいのではないでしょうか(そんなことをしたら必要経費として申告される額が膨れ上がり税収が減るため、やらないのでしょうが。また、申告内容の確認にかかる人件費の増加という問題もあります)。

 こんな労働意欲を減らすような政策をとっているようでは、いつまで経っても「働き方改革」なんて実現できるはずがありません。

 サラリーマンは、身なりにそんなに気を使わなくていいから、AOKIの安いスーツでも着ておけということでしょうか。

 一生懸命働く人ほど、印象をよくして仕事の成果につなげるため、自分の身なりにお金をかけているはずです。

 真に目指すべきは、働いたら働いた分だけ報われる社会なのではないでしょうか。