ノブレス・オブリージュの誤用に注意
国家公務員の採用説明会の時から在職中まで、頻繁に聞いた言葉。
それが「ノブレス・オブリージュ」でした。
ノブレス・オブリージュとは、フランス語で「高貴なる義務」。日本では「持てる者の義務」と訳されることもあります。
もともとは、中世の貴族社会において、貴族が自分のお金で政治を行ったり公共事業を行ったりするべきだという、貴族の行動規範として使われていた用語です。
世界史の教科書なんかでも出てきますね。
コードギアスでも、ルルーシュが中華連邦の大宦官に対して「腐っている! 何が貴族か! ノーブル・オブリゲーションも知らぬ官僚がっ!!」というセリフがあったりしました。
ノブリス・オブリージュの発想自体は素晴らしいものだと思います。
やはり、富のある人は目立ち、必然的に社会のリーダーとなるわけですから、そういう人が他人のために行動するという模範的な態度を示すのはいいと思います。それから、富の再配分という意味でも。
しかし、この言葉をわざと誤用する人は嫌いです。
特に「能力のある人は、見返りを求めずに他人のために働くべきである」みたいな形で御用する人は、すごく嫌いです。
いや、まあ実際のところ、採用説明会でノブレス・オブリージュという言葉を自ら発していた国家公務員の方々は、そういう風に自分に言い聞かせないとやっていられなかったんでしょうね。
能力があり、毎日深夜までこき使われているにも関わらず、給料は飛び抜けて高いわけではありませんから。
ノブレス・オブリージュを果たしているんだと自己暗示をかけることで、自らの行動を正当化し、自分が壊れないように守っていたんです。
まあ、自らを「ノブレス」すなわち、高貴な存在だと呼称することもなかなかシュールではありますが。
それ以上に問題なのは、そういう誤った思想を持つ人が、上に立って、自らの考えを部下に押し付けようとすることです。
つまり、「お前は能力がある『持てる者』なのだから、義務を果たせ」と。
「低い報酬で我慢して働け」と。
でもね、これっておかしいですよ。
「ノブレス」って、別に「能力がある」って意味じゃないですよ。
昔の貴族だって、能力があったから高貴な存在だったわけではないですよね。
むしろ、生まれつき資産があったから高貴な存在だったんですよね。
この、資産と能力というのは、決して置き換えてはなりません。
なぜならば、資産は、能力によって生み出されるものだからです。
本来、能力を活かして働き、その分だけ報酬が発生するわけじゃないですか。
報酬が沢山ある結果、金銭的に余裕が出てきた場合に、その余裕のある分を他人に還元するというのであれば、それは正しいと思います。まさにノブレス・オブリージュです。
でも、能力があったとしても、その発揮段階で搾取され、報酬に結びつかないのであれば、その人は決して「ノブレス」にはなれません。
「ノブレス」にはなれないのに、ノブレス・オブリージュを果たすべくさらに身を削ったら、その人はどうなるのでしょう。
その人は、壊れますよ。
それか、自分を守るために、私欲を満たすようになります。汚職に手を染めたりとか。
余裕があって初めて、真の意味で他人のために働ける
ずっと思っていることなのですが、他人のために働くためには、まず自分に余裕がないとダメなんですよ。
だって、自分の生活もままならないのに、他人のために100%の力を注ぐことなんて、できるわけがないじゃないですか。
自分に余裕がなければ、どうしても、自分の利益を考えてしまいますよ。
志の高い人ほど、我が身を顧みず、他人のために働こうとします。
私の大学時代の友人には、そういう人も結構いました。
しかし、順番は決して間違えてはいけません。
まずは自分に余裕を作ってから、その後になって他人のために働くのです。
そうしないと、中途半端な成果しか出ず、結局非効率です。
たとえば、弁護士業にしても、貯金が10万円しかなくて、毎月の生活に困っている弁護士よりも、貯金が100億あって、他人のために全力を尽くしてくれる弁護士の方が信頼できますよね。
真の意味で他人のために働くことができるようになったら、その後は加速的に社会貢献できるようになります。社会貢献に応じて、資産も増えていくだろうからです。
公務員時代の私は、まさに前者でした。
自分に余裕がないにも関わらず、他の人のために働こうとする。
しかし、自分の生活もカツカツなので、それをなんとかしなければという思いが常に頭の片隅にあり、仕事に全力投球できていませんでした。
この生活は、本当に楽しくなかった。
この反省はきっちりと活かさなければ。
ということで、今は、自分の資産形成の真っ最中です。
最近暗号通貨に手を出していますが、それもまた、将来社会貢献ができる存在になるため。
温かい目で見守って頂けたら幸いです。
また、応援してくださる方は、是非、coincheckやZaifで取引を初めて、一緒に情報交換していければ幸いです。
それでは。