アイスクリームはどんな味でも美味しいものだと思っていた
アイスクリームは、美味しいですよね。ちょっと高めの「ハーゲンダッツ」までいかなくて日本で安く買える「爽」でも十分に美味しい。子供の頃は歯磨き粉みたいでちょっと苦手だったチョコミントも、今では美味しく食べられる。最近では和風の「みたらし胡桃」のハーゲンダッツも流行ったり、パンプキン味のアイスもなかなかである。ご当地アイスでは、わかめソフトクリームやわさびソフト、越前クラゲや牡蠣フライソフトクリームも食べたが、どれもまあまあ美味しかった。
だから、アイスクリームという食べ物は、どこで何味を食べても美味しいものなんだと勘違いしていたのである。あの日までは…。
それは、土日を使って1泊2日の弾丸マレーシア旅行をした、ある冬の日のこと…
2015年2月のとある金曜日の23時55分、私は成田空港を飛び立った。目的地はクアラルンプール、マレーシアの首都である。毎日の仕事が忙しい上、寒い日が続いていたことから、私は、暖かい土地でビールでも飲みながらくつろごうと、土日を使ってマレーシア旅行をしたのである。時差もあるため、クアラルンプール国際空港にはマレーシア時間で朝6時に到着する。翌日の昼過ぎまでの1日半、ゆうに遊べるため、1泊2日でも十分に楽しめる。現地に到着した私は、クアラルンプールの綺麗な朝日と壮大な地平線に、心が洗われる気分であった。空港で朝食としてラクサを食べ…。
なんて前置きは皆様の興味を引くところではないだろう。導入はそこそこに、本題のアイスクリームに移りたい。
さて、マレーシアは常夏の国である。2月であっても気温は20度を優に超える。
暑い中で飲むビールも美味しかったが、ビールよりももっと体を冷やすため、私は大型ショッピングモール「パビリオン」にあるアイスクリームショップでアイスを購入した。その写真がこちらである。
見た目が汚らしいのは、マレーシア仕様ということで許してほしい。
3つの味を選ぶことができるということだったので、キャラメルとチョコレートと○○を選択した。
この○○が、問題の「この世で最も不味いアイスクリーム」なのだが、何だか分かるだろうか。写真では、手前の白いやつである。
ヒント1 東南アジア特有の果物である
ヒント2 見た目はトゲトゲしている
ヒント3 「果物の王様」との異名を持つ
3つ目でピンと来たのではないだろうか。
そう、答えは
「ドリアン味」
である。
当時の私は、テレビで美人キャスターが無理やり食べさせられて苦悶しているシーンを見たことがあったが、実物を食べた経験はなかった。臭みがあるということは聞いていたが、でも、アイスにすればそんなドリアンも美味しく加工されるのだろうと、舐めてかかっていたのである。アイスクリームだけに。
しかし、実際に口にしてみると、ドリアン味のアイスは私の期待を見事に裏切った。文字通りの悪い意味で。
アイスクリームなのに生臭い…。生臭いのにアイスクリーム…。
さらにひどいことに、一緒に盛られているチョコレート味やキャラメル味との食べ合わせが悪いこと悪いこと…。一緒に口に含むと、腐ったキャラメルを食べている気分である。
私は、サービス精神旺盛に笑顔でカップ一杯にアイスを盛った店員を恨んだ。食べているうちに頭痛がしてくる。これは、冷たいものを食べた時のキーンとなるやつではない。苦手な食べ物を食べた時のあの感覚であった。
パビリオンの店内を、苦痛の表情を浮かべながらフラフラ歩きながら食べ、カップが空になった時の達成感はなんとも形容し難かった。
本当、海外旅行というものは、普段当たり前に有している価値観を砕いてくれる。
ゴールデンウィークや夏休みに東南アジアに行く人へ
ドリアン味のアイスはマレーシアだけでなく東南アジア各国なら食べられると思う。ゴールデンウィークや夏休みに東南アジアに行く人は、ぜひ、試して見て欲しい。