イオンの冷凍野菜で食中毒
大型ショッピングモールを全国に展開するイオンが、プライベートブランドの「トップバリュ」で発売していた冷凍野菜の2種類について、食中毒の恐れがあるとして自主回収を開始した。対象となるのは次の商品。
・トップバリュ グリーンアイ オーガニック ミックスベジタブル
・トップバリュ グリーンアイ オーガニック グリーンピース
混入している可能性があるのは、リステリア菌。同商品はアメリカ産の原料を使用していたが、その原料の中に混入していた可能性があるという。
また、数日前にはニチレイフーズが同様の理由で冷凍食品を回収している。
リステリア菌とは
リステリア菌の正式名称は、リステリア・モノサイトゲネス。河川水や動物の腸管内など環境中に広く分布する細菌。食品安全委員会の評価書によると、リステリア感染症の推定患者数は年間200人(平成23年)とされている。リステリアに感染して重症化することはまれだが、重症化すると致死率が高い。特に妊婦や高齢者は注意が必要。
加熱により死滅するが、4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖できる点が特徴。冷蔵・冷凍保存していたり、漬物などで塩分の高い状態においておくと最近は死滅すると勘違いしがちなので、うっかりと感染することがあり、注意が必要。
しかし、健康な成人では少量のリステリア菌を摂取しても発症しないため、基本的に発症の恐れはない。具体的な症状としては、悪寒、発熱、筋肉痛などインフルエンザなどの他の感染症と区別が難しい場合や、敗血症、髄膜炎、中枢神経系症状などを引き起こす場合(リステリア症)もある。
厚生労働省のHPによれば、「冷凍庫を使用すること」がリステリア菌への対策になっているが、以前アメリカでアイスクリームによるリステリア菌食中毒が蔓延しており、冷凍庫のような低温状態でも死滅しないことがわかる。
他に、冷凍食品で注意すべき食中毒は?
冷凍食品で注意すべき食中毒の主なものは、ノロウイルス。ノロウイルスは低温状態でも一切死滅しないため、一度痛んだ食品を冷凍するなどといったことは絶対に避けるようにしたい。