2015年に東京都が都民全員に配った東京防災。中身が素晴らしいという声が多い一方で、分厚くて手をつけていない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、目を通したものの、内容盛り沢山でごちゃごちゃしすぎていて頭に入らなかったという方もいるかもしれません。
そんな方のために、東京防災の重要部分を要約し、忙しい方でもサッと目を通せるようにまとめました。いつ来るかわからない地震に向けて、印刷して手元に置いておいてもいいと思います。
地震発生
地震発生その瞬間
出口を確保する
揺れが収まったときにいつでも避難できるように、部屋の窓や戸、玄関のドアを開けて出口を確保します。
最優先で自分の命を守る、ガラスや塀から離れる
地震が起きたら、周りの様子を見ながらすぐに物が「落ちてこない・倒れてこない・移動しない」場所に移動。自分自身と家族の命を守ることを最優先に考えて行動します。
屋内では、背の高い家具や冷蔵庫・電子レンジなどの大きく重い家電の下敷きにならないこと、窓や照明器具などのガラスの悲惨による怪我、棚からの物の飛び出しに注意します。火の始末は揺れが収まった後に慌てずに行います。近くに枕や布団がある場合は、それを被って頭を保護しましょう。
2階以上の建物に入る場合、古い建物の1階は倒壊する危険があるので、慌てて1階に降りないこと。エレベーターの中にいる場合は、すべての階のボタンを押し、止まった階で降ります。閉じ込められたらインターホンで連絡します。
屋外では、瓦の落下、ガラス破片の飛散による怪我、ブロック塀などが崩れて押しつぶされることがあるため、ガラスや塀から離れます。公園など安全な場所に逃げるのが一番ですが、広いところに逃げる余裕がない場合は、耐震性の高い比較的新しいビルに逃げ込みます。
山間地では直ちに斜面や崖から離れ、海岸部では高台に避難します。
車に乗っている場合は、ハザードランプを点灯して徐々に減速し、道路左側に止めてエンジンを切り、揺れが収まるまで待機しましょう。キーは付けたままドアロックをせず、連絡先メモを残し、貴重品や車検証を持って車から離れます。ただし、橋梁・高架、トンネル内にいる場合は、通過してから停車しましょう。
発災直後
発災直後の行動
揺れが収まってから行動する
揺れが収まった後、負傷しないよう、散乱したガラス・陶器の破片などに注意します。底の厚いスリッパなどで足を保護しましょう。スリッパがない場合は、ポリ袋や新聞紙などで足を覆って代用します。
停電して真っ暗闇の時は、スマホなどで照らし、足元の安全を確認しながら移動すること。避難には、エレベーターではなく階段を使いましょう。
火元を確認する
調理中で火を使っている時は、揺れが収まってから、慌てずに火の始末をします。
万が一出荷した場合は、落ち着いて初期消火をします。消火器の使い方は次のとおり。
1 火元を確認し、逃げ口を背にします。
2 消火器の上部についている安全ピンを抜きます。
3 ノズルを手に持って、放射口を燃えている部分に向けます。
4 バーを握って火元に直接消火剤を放射します。炎が天井に達したら、消火をやめて避難します。
閉じ込められたら
万一 部屋に閉じ込められたり、身動きできなくなった場合、大声を出し続けると体力を消耗し、命の危険があります。硬い物でドアや壁を叩いたり、大きな音を出して、自分が屋内にいることを知らせます。
発災時のNG行動
ガスに引火して爆発する危険があるため、火をつけない。
火災の危険があるので、ブレーカーを上げて通電させない。電気のスイッチに触らない。
不要な電話をかけない(ネットワーク回線のLINEなどを使用する)。
裸足で歩かない。
救出活動を一人で行わない。
避難に車は使わない。
避難する時の注意点
出火の原因を作らない
ブレーカーを落とす
ガスの元栓を閉める
安否メモを残す
伝言板・SNSで連絡する
物の備え
最小限備えたいアイテム
食品
水(飲料水、調理用など)
主食(レトルトご飯、麺など)
主菜(缶詰、レトルト食品、冷凍食品)
野菜ジュース
加熱せず食べられるもの(かまぼこ、チーズなど)
菓子類(チョコレートなど)
栄養補助食品
調味料(醤油、塩など)
生活用品
カセットコンロ・ガスボンベ
常備薬、救急箱
簡易トイレ
懐中電灯
乾電池
充電式ラジオ
ビニール袋
食品包装用ラップ
ティッシュペーパー
トイレットペーパー
ウェットティッシュ
生理用品
使い捨てカイロ
ライター
携帯電話の予備バッテリー
ラテックス手袋
防火対策
住宅用消火器
住宅用火災警報機
漏電遮断器
感震ブレーカー
心肺蘇生法
1 倒れている人の意識を確認
倒れている人をみたら、肩を軽く叩き「わかりますか!」と呼びかけます。返事があるか、手足が動くか、怪我の痛みへの反応、意識の有無を確認します。反応がなかった場合は、次の手順に進みます。
2 周りの人に協力を求める
大声で「誰か来てください。人が倒れています。」と近くの人に協力を依頼します。また、安全な状況であれば、協力者にAED(自動体外式除細動器)を持ってきてもらうようお願いし、応急手当を行いましょう。
3 呼吸を確認する
倒れている人の胸とお腹の動きをしっかり見て、呼吸の乱れがないか、10秒以内で確認します。胸とお腹の動きがなければ、「普段通りの呼吸なし」と判断して、胸骨圧迫を行います。
4 胸骨を圧迫する
胸の中央に両手を重ね、成人の場合には胸が少なくとも5cm沈む程度の強さで圧迫します。1分間に100回の店舗で行います。胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせる場合は、今日こつ圧迫30回と人工呼吸2回のサイクルを組み合わせます。
5 人工呼吸をする
顎を上げて起動を確保し、額に当てた手の親指と人差し指で鼻をつまみます。空気が漏れないよう口を覆い、1秒ほど息を吹き込みます。その時、胸が持ち上がるのを確認します。その際、感染防止の観点から、人工呼吸用マウスピースがあるとベターです。
6 AEDを使う
AEDの電源ボタンを押します。電極パッドを胸に貼り、電気ショックの必要がある場合は音声メッセージが流れるので、傷病者から離れ、ボタンを押します。メッセージに従って、すぐに胸骨圧迫を再開します。
止血
直接圧迫法による止血
出血している部分にガーゼや清潔な布などを直接当て、手や包帯で強く圧迫します。布の大きさは、傷口を完全に覆う大きさが必要です。感染予防のため、ゴム手袋やビニール袋などを必ず着用し、血液が付着しないように心がけてください。
間接圧迫法による止血
直接圧迫法での止血が難しい場合は、間接圧迫法を試みます。心臓に近い動脈を親指などで骨に向かって押さえつけ、血の流れを一時的に止めます。肘から先の出血は、上腕の内側中央で、いずれも親指で強く押します。脚からの出血は、出血側の脚を伸ばし、大腿骨の付け根を拳で強く押します。
骨折・捻挫の応急手当
添え木で固定する
骨が折れて痛みがある所をむやみに動かすのは禁物です。折れた骨を支える添え木になる物を用意し、折れた骨の両側の関節と添え木を布などで結び、固定します。
三角巾を使う
三角巾は身体のどこでも使え、スカーフや風呂敷、大判ハンカチでも代用可能。傷口の汚れは水で流し、滅菌ガーゼなどを当てて使います。結び目が傷口の真上に来ないようにします。
切り傷の応急手当
1 傷口をしっかり覆える大きさの布や包帯を用意します。
2 傷口が土砂などで汚れている場合は、水で綺麗に洗い流します。
3 出血している場合は、滅菌ガーゼなどを当てて傷口を保護します。
4 包帯を巻きます
やけどの応急手当
面積が身体の10%未満(傷病者の片手の手のひらの面積が体表面積の1%)のやけどなら、できるだけ早く、痛みがなくなるまで15分以上綺麗な水で冷やします。
断水時は水道を使うことができないので、ペットボトルの水などを使って処置します。
注意点は次のとおりです。
・衣類を着ている場合は、衣類を着たままで冷やす
・広い範囲のやけどの場合は、体が冷えすぎないように注意する
・水ぶくれを破らないように注意する
・医薬品を使わない
まとめ
以上、「東京防災」の重要部分を要約しました。
実際に避難生活に入った場合の、ハエ取り器の作り方、簡易ランタンの作り方、乾電池の大きさの変え方、食器の作り方、簡易コンロの作り方、パーテーションの作り方、リュックサックの作り方、簡易ベッドの作り方、クッション・枕の作り方、避難生活で行う体操、子供の遊び、などは、省略しています。それが気になる方は、東京防災本編をご覧ください(Amazon Kindleで無料ダウンロードできます)。