高校生の時にどハマりした「涼風」
広島から上京した秋月大和(あきつきやまと)が、同級生の朝比奈涼風(あさひなすずか)と繰り広げる青春劇。陸上したり青春したりの毎日を描くこの作品に、高校生の時にどハマりしました。
週刊少年ジャンプ派だった私が、週刊少年マガジンなど、他の雑誌に目を向けるきっかけになった漫画でもあります。
涼風の続編が存在した
見事なハッピーエンドで終わる「涼風」ですが、実はこの作品に続編が存在していました!
その名も「風夏(ふうか)」。主人公の名前は、秋月風夏(あきつきふうか)。なんと、秋月大和と朝比奈涼風の娘です。見た目もそっくり。
1巻の中では、風夏の父親、つまり秋月大和がオリンピックで銀メダルを獲得したことまで描かれています。大和、すごすぎです。
ただ、娘の風夏は陸上に興味はなく、陸上部からの勧誘は断り続けます。それでは何をする漫画なのかというと、「音楽」。
主人公の男と出会って、バンドを結成して、どんどんメジャーになっていって、という普通の展開かと思いきや…。
タイトルに名前を掲げるヒロインが死ぬという急展開
バンドも軌道に乗り始め、主人公との仲も接近する幸せ真っ只中の4巻・5巻で、急展開を迎えます。
なんと、風夏が事故で死んでしまうのです。
え、これ「風夏」って漫画だよね?
読んだ時は信じられませんでした。
Amazonレビューは最悪、でも自分としては高評価
タイトルに名前を掲げるヒロインの風夏が死ぬという展開に耐えきれない人が多いのか、「話題狙いの邪道漫画」とか、「タイトル変えろ」とか、「早く終われ」とか、そんな低評価レビューがアマゾンには溢れています。
いや、でもね。読んでみると、全然悪くないのですよ、これが。むしろ、ものすごく泣ける。確かに、あだち充の「タッチ」は、死なない方がタイトル名になっていますけど、主人公かと思う人が急に死ぬ展開って、これまでだってあったじゃないですか。
風夏は確かに事故で早々に退場してしまうのですが、それでも、主人公の男やバンドメンバー、涼風達家族の心には生き続けているのです。亡くなった方を、このような形で印象に残しながら描く漫画がこれまであったでしょうか。
まさに、小説やドラマの定番「お前が死んでも、俺の心には生き続ける」を地でいくストーリーなのです。
亡くなったはずの涼風と一緒に武道館で歌う8巻は、誰しも感涙に咽ぶはずです。
嘘だと思う人は読んで見てください。時間がない方は、最初の1巻、風夏が事故に遭う4巻・5巻、風夏のことを吹っ切る8巻をまず読むことをお勧めします。