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妻夫木聡・檀れい主演「感染列島」〜ウイルスの名前が中2病っぽいことを除けばいい作品だった〜

妻夫木聡・檀れい主演「感染列島」

 WOWOWで放送されていた「感染列島」を見ました!

 映画を観る前は、タイトルだけ診てホラー映画の「感染」と勘違いしていたので見る気は一切なかったのですが、ザッピングをしている時にたまたま写った最初の映像を見てみると、ホラー要素は一切ありませんでした(笑)。

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 「感染」とタイトルにあるように、いわゆるパンデミック映画の一つです。

 ある日、救急救命医である妻夫木聡が働くいずみ野市立病院に1人の急患が運び込まれるが、その患者は今まで人類が経験したことの無いウイルスに感染していた。謎のウイルスは瞬く間に院内に広まり、新型のインフルエンザなのか、それとも新種のウイルスなのかと見当のつかない状態でこの感染症に立ち向かう医師たちの物語です。

 自分たちも感染症にかかる恐怖と戦いながら、人の命を救うために奮闘する医師や看護師の力強さを感じるストーリーでしたし、妻夫木聡や檀れいの演技も素晴らしい作品です。

 設定もリアルなところが多く見受けられ、奮闘する厚生労働省や、内閣官房の関係省庁連絡会議の場面など、リアリティを感じることができました。「国民からの非難も沢山あるだろうが、最後まで乗り切ろう!」と高揚させる厚生労働省職員のシーンは秀逸でした。数値設定も現実的で、未知のウイルスによる死亡者の推計は26万人。死亡者を数千万人規模とかにしなかったのは、リアリティを生み出す上で懸命な設定です。

 特に感動したのは、いずみの市立病院で、本件感染症対策チームの構成員を自薦で募った場面です。この感染症対策チームに入るということは、自らが道のウイルスに感染するリスクを高める行為でもあるというのに、その病院の半数以上の医師・看護師が名乗りをあげる。こんな場面を見ると、自分が同じ立場に立った時、同じ選択をすることができるか、自らに問うてしまいます。任務を強要されるのであれば、「これも仕事だから」と割り切ってその任務に当たることもできるでしょう。でも、その選択は自らの判断に委ねられています。

 自分の命を失うリスクを負ってでも、苦しい思いをしながら、全く知らない人々を助けるという道を選択する。これは生半可な覚悟でできるものではありません。

 ただ、残念だったのは、謎のウイルスの名前を「ブレイム」とし、その意味づけを「神による裁き・責め苦」などと、中2病っぽい設定にしてしまったこと。

 せっかくシリアスでいい映画ができているのに、この場面だけ変な笑いがこみ上げてきてしまいます。

 この作品の脚本を書いた方が、こだわって付けた名前なのだとは思いますが、SARSとかMARSとかみたいに、特定の単語の頭文字をくっつけたようなウイルス名にすればよかったのに、そこだけが残念な作品でした。

 ということで、作品自体は十分見る価値のあるものだと思うので、機会があれば見てみてくださいね!