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ジョーコックス議員射殺事件を受け、イギリスのEU独立国民投票キャンペーンが中止

欧州解体

ジョー・コックス(Jo Cox)下院議員射殺事件を受け、イギリスのEU独立(Brexit)に関する国民投票のキャンペーンが中止

 この記事は、下の記事の続きです。

 6月16日に労働党の議員で庶民院(下院)に所属していたジョー・コックス(Jo Cox)議員が、ウェスト・ヨークシャー州リーズにあるBirstall Library(バーストール図書館)で国民投票をめぐる集会の準備をしていたところ、銃撃を受け、その後ナイフで刺され死亡した事件を受けて、イギリスのEU独立を問う国民投票に関するキャンペーンを中止することが決まった。

 もともと、独立に関する国民投票では、EU残留派のBritain Stronger In Europeと、EUからの独立派のVote Leaveにわかれてキャンペーンを行っていたが、襲撃事件を受けて、両者が共にキャンペーンを一定の期間中止することを発表しました。

 これは、キャンペーンを行う他の者に被害が出ないように防ぐというのを第1の趣旨とするのではなく、まさに公務を遂行している最中に襲撃を受けて殉職してしまったジョー・コックス議員に敬意を表してのものです。

 ジョー・コックス議員殺害については、ジョー・コックス議員の夫が、次のような声明文を出しています。

 今日から、私たち家族にとって、人生の新たな章が始まることになってしまった。より困難で、より辛く、楽しみの少ない、愛に欠けた章だ。私とジョーの友人と家族は、人生のいかなる瞬間も、子供を愛し育て、ジョーを殺した憎むべき犯人と戦い続ける。ジョーはより良い世界を信じ、そのために彼女の人生を捧げて熱心に戦ってきた。

 ジョー・コックス議員の家族のことを思うと、胸が痛みます。母親をこのような事件で失った2人の子供は、これからどんな思いをしながら生きていくことになるのでしょうか。

 今回の事件は、EUがなければ、また、EUからイギリスが独立しようという動きがなければそもそも起きなかったものです。もちろん、言論で訴えるべき場面で暴力を行使した犯人は憎むべきです。しかし、EUからのイギリス独立がここまで重要なものだという意識を持っていた日本人がどれだけいたのでしょうか。世界情勢すら動かしかねないEUからのイギリス独立論争を、より注視すべき場面に、私たち日本人もあるのではないでしょうか。

(情報ソース)

Brexit referendum campaigns suspended after Jo Cox MP murder — RT UK