トーマス・メア(Thomas Mair)をジョーコックス(Jo Cox)イギリス下院(庶民院)議員殺害の容疑者として逮捕
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6月16日に労働党の議員で庶民院(下院)に所属していたジョー・コックス(Jo Cox)議員が、国民投票をめぐる集会の準備中に殺害された事件について、現場の近くで逮捕されていたトーマス・メア(Thomas Mair、男性、52歳)容疑者をイギリスの警察が本件殺人事件との関連で犯人として告発しました。
トーマス・メアについては、極右のネオナチとの関連がもともと指摘されていました。
なお、トーマス・メア容疑者が犯行前に叫んだとされる"Put Britain first !"という言葉について、日本の各メディアは「英国を一番に」として訳していますが、現地メディアではその後、叫んだ言葉からputが抜かれ"Britain First !"と叫んだと修正されて報じられています。
Britain Firstは、反イスラムの右翼団体で、今回殺害されたジョー・コックス議員は、これまで何度も、Britain Firstのレイシズム(人種差別主義)とファシズム(独裁的国家社会主義)に異を唱え非難していたとのことです。
当初疑われていたよりは、EU独立国民投票との関連性が薄くなりましたが、しかし、この事件により、国民の感情が、ジョー・コックス議員が所属していたEU残留派に傾いていると報道されているのも事実です。
このような混乱の中で、国民の真意を問うための国民投票を行ったとしても、本当に国民の考えが真に反映された結果が出るのか、疑問に思います。
現時点では国民投票に関するキャンペーン活動を、EU残留派のBritain Stronger In Europeと、EUからの独立派のVote Leaveの両者が共に中止していますが、いっそのこと、国民投票自体を一度仕切り直した方がいいのではないでしょうか。
少なくとも、彼女の死を、政治的に利用することだけは絶対にして欲しくないと思います。
(情報ソース)