「多いい」って、打ち間違いじゃないのね
インターネット上を読んでいると、「多いい」と言う記載がなされているのをよく見かけます。
でもね、「多いい」ってのは、明らかに間違ってると思うんですよね。
別に、私は文法絶対主義者じゃないし、人々がコミュニケーションで使用している言語を体系的にまとめた結果が文法体系であることはわかっています。「ら」抜き言葉や「れ」足す言葉なども、かつて五段活用の動詞が可能動詞化したように、人口に膾炙していく中で一つの語形変化として捉え、いずれは文法体系自体を修正すべきだとも考えています。まあ、今の時点ではまだ気持ち悪いですけど。たまにテレビに出てる芸能人が「ら」抜き言葉を発しているのを見ると信じれない気持ちになるし、自分が「れ」足す言葉を使った記事なんてのは、世の中に出せれないですけどね。
で、これについて調べていくうちに目を疑ったのが、ヤフー知恵袋にあった次の質問でした。
「多い」と「多いい」は、どちらが正しいですか?「い」を書かないと発音できないと思うんですが?
(補足)
「多い」であれば、「おおい」となるように思います。
え、嘘でしょ!!!!?釣りですよね??
捕捉も含めて考えてみても、この人、本当に「おおいい」と書こうとして、その送り仮名に迷っているみたいです。
別にね、ブログとかに「多いい」とか書いてあっても、「なんだ打ち間違えか」でこれまで済ませていたんですよ。打ち間違えであるなら、仕方ない。ヒューマンエラーは人間のサガですから。
しかし、もし「多いい」が正しい表記だと思っている人がいるなら、それは信じられません。それでこの記事を書こうと思ったわけです。
もしこの記事を読んでくださっている方の中に、「多いい」が正しいと思っている人がいるなら、聞いてみたいんですが、「多いい」と言う形容詞はどのように活用するのでしょうか。
中学の国語の授業で習った、「かろ・かっ・く・(う)・い・い・けれ」に当てはめると、どうなるのでしょうか。
多いかろう
多いかった
多いくない
多いい。
多いい時
多いければ
とでも活用させるのでしょうか。
もしこの通り活用させて違和感がないのであれば、それはもしかしたらその土地その土地の方言なのかもしれません。それはそれでいいので、どうぞ使い続けてください。
しかし、これらの活用に違和感を覚えるようであれば、それはそもそも方言などではなく、日本語的な間違いです。
私自身も小学生の頃に「体育」の読み仮名を「たいく」と書いて間違った記憶があるので、誤り自体を責めるつもりは毛頭ないのですが、インターネットを通じて情報を発信する立場にいらっしゃる方には、最低限、誤りのない日本語を使って頂きたいなと思います。