こち亀最終巻
秋本治先生40年の集大成、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」最終巻の200巻を読みました。
どこの書店でも売り切れ続出というニュースを見たので、Kindle版でコミックス版の200巻を購入して読みました。
こち亀は先日の無料キャンペーンで昔の作品を多く読んでいたのですが、200巻に掲載された作品のいずれも変わらない面白さと輝きを放っていました。
ボリューム満点で、読んでも読んでもなかなか最終話まで行き着かなかったのですが、ボーカロイドとかドローンとか4DX映画とかガルパンといった新アイテムも柔軟に取り入れつつ、想像力豊かに展開されるストーリーに圧倒されました。
ただ、正直なところ、これは期待したものと違うなと。
巻の中ほどまで読み進めても、連載を終了する雰囲気が全く感じられないのです。
1話完結のショートショートで連載を続けてきたこち亀ですから、これまでの伏線をすべて回収して大団円!みたいな展開にならないのはわかっていましたが、終わりに向けて少ししんみりした空気を作りながら終わっていく、絶望先生の最終巻みたいな展開かなと思っていました。事前に「麗子との結婚式が最終回!」みたいな予想もありましたしね。
最終話に到達しても、定例の周年企画を実施しているだけで、全然「終わります」的な要素が一切ありません。
最終話を最後まで読み終わっても、「もしかして200巻は最終巻じゃなくて、201巻があるの??」なんて思ったほど。
しかし、最終話には、ひとつ気になる点がありました。それが、こちらです。
なんと、少年ジャンプ版とコミックス版では、最終話のオチが違っているとのこと!
しかし、こち亀最終話が載った少年ジャンプは、どこに行っても売り切れ状態のようです。これは困りました。
少年ジャンプの電子版はKindleで配信されていませんしね・・・。
ネット上をウロウロして探していると、ジャンプ公式の「少年ジャンプ+」というサービスで、電子版の少年ジャンプを配信しているとのこと。
早速購入してそちらも読むと・・・
感動!!
少年ジャンプに載っている世界線の方が、こち亀の終わり方としてふさわしいと思います。
コミックスに少年ジャンプ版が掲載されないのは残念ですが、これは秋本先生にとってはとても大事なことだったのではないかと思うんですよね。
普通の人であれば、コミックスは買い揃えて保存するとしても、週刊誌はいずれ捨ててしまう。でも、こち亀は、「週刊誌」という形で40年やり続けたのだと。だから、こち亀最終話が載った週刊少年ジャンプもきちんと保存しておいてほしいと。そんな思いが込められているのではないでしょうか。
さて、意外にもあっけなく終わってしまったこち亀ですが、これは決して残念なことではありません。なぜならば、このような最終巻の構成から、秋本先生のこち亀に対するバイタリティがいまだ尽きていないことを読み取ることができるからです。
今後とも秋本先生のご活躍を楽しみにしています。