ブログ記事外注化
世にブログは多かれど、私が唯一好きになれないブログがある。
それは、外注した記事を、あたかも自分が書いたように見せて稼ぐブログである。
例えば、人気ライターのヨッピーさんが書いているような、ライター名が明示されている記事ならば全く問題ない。
しかし、世の中には、クラウドソーシングサービスを通じて赤の他人に記事を書かせ、多少の修正はするものの殆どそのままブログに投稿する個人ブログもあるのである。
「ライターも納得しているんだからいいじゃん」
そんな反論もあるかもしれない。
しかし、そこの両者の関係はどうでもいい。
問題は、読者との関係である。
赤の他人が書いた記事を、自分で書いたように見せかけて読者に読ませるのは、そのブログを熱心に愛読している読者に対して失礼ではないだろうか。
これに対しても、
「読者だって楽しんでるんだからいいじゃん」
そんな反論があるかもしれない。
しかし、そんな反論をする人は考えてみて欲しい。
自分が好きな作家が、ゴーストライターを使っていることがわかったら、どのような気持ちになるかと。
はたまた、そんな反論をする人は振り返ってみて欲しい。
あなたは、佐村河内守に対して批判の目を向けたことがないのかと。
中には、顔出しをした上で、外注記事を大量に投稿しているブログもある。
そんなものは詐欺に等しい。
挙句の果てには、「外注記事で〇〇万円稼ぎました!」みたいな記事を書いて開き直ったりもするが、これは最悪の極みである。
その記事を書いたライターは、いくらもらっているのだろうか。
恐らく、多くても数千円、場合によっては数百円だろう。
詐欺師になるだけでは飽き足らず、低賃金で労働者を搾取する産業革命時代のブラック企業のような悪行にも手を染めていることを高らかに宣言することになるからである。
時には、そんなブログの記事が炎上して、衆目を集めることもある。そんな時に採るべき手段は、「無視」である。世間には、気になるものを意図的に無視できずつい炎上に手を貸してしまう善人が多くいるが、その行為こそ、上述した詐欺師ブロガーの思惑通りである。
人のブログを読むのは楽しい。しかし、楽しいからこそ、そこに正当な文化が根付いて欲しいと思う。