停電や大災害に備えてUPSを設置するのがオススメ
2016年10月12日15時38分頃から、東京で35万世帯にわたる大規模な停電が発生しました。主な地域は中央区・港区・千代田区・豊島区で、国交省など一部の省庁でも停電が発生していたようです。
私の家でも、すぐに復旧しましたが、数分、停電状態でした。
最近東京では、台風や雷などによる停電が発生していないので普段は全然意識しなくなりましたが、天災は忘れた頃にやってくるの格言通り、突然訪れるものなのですね。
さて、官庁などではバックアップ電源が備えられているので特に問題はなかったかと思いますが、オフィスや自宅でパソコンの作業をされていた方の中には、突然の停電により作業中のデータを保存できずにパソコンの電源が落ちてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。ノートパソコンと違って、デスクトップパソコンにはバッテリーが付いていませんからね…。
実は私も今回、自作のデスクトップパソコンでの作業中に停電となったのですが、幸いなことに私のパソコンは動き続け、無事に作業中のデータを保存してシャットダウンすることができました。
なぜならば、無停電電源装置(UPS)を設置していたからです!
無停電電源装置(UPS)とは
「無停電電源装置」「UPS」という言葉を初めて聞いた方も多いと思います。
これはその名の通り、停電の無い電源装置なのですが、要するにデスクトップパソコンや家電製品用の非常用バッテリーです。
パソコンをコンセントに直接繋ぐのではなく、間にUPSを噛ませることによって、停電などでコンセントに電気が供給されなくなったときに、UPSから電源が供給されることになります。
安定した電力供給を開始(http://cyber.apc.co.jp/shopapc/EachPage.php?code=5より)
私も、実際にUPSが活躍することはないだろうと思いつつ、「カッコイイ」という理由で設置していたのですが、まさか本当に役立つことがあろうとは思いませんでした。
パソコンは精密機械ですので、手順を踏まずに電源を落とすと、急激な電圧の変化によるダメージを受ける場合があります。また、ハードディスク等にデータを書き込んでいる最中に電源が落ちた場合、データ消失という最悪の事態に陥ることもあります。
今回のような火災による停電だけでなく、首都直下地震や大雨に寄る洪水など、停電のリスクは常に潜んでいますので、まだ設置していない場合は速やかに無停電電源装置(UPS)を導入されることをオススメします。
ただ、そこで困るのが、どの無停電電源装置を購入すればいいのかということです。無停電電源装置は普段なじみがない上、様々な種類があってわかりづらいので、当然の悩みだと思います。
そこで、無停電電源装置を吟味して購入し現在も使用している私が、オススメの無停電電源装置を価格別に紹介したいと思います。
無停電電源装置(UPS)の基礎知識
実際の商品の御紹介に移る前に、無停電電源装置に関する基礎知識について簡単に述べさせてください。
用途は?
無停電電源装置の用途は、あくまでも非常時の電源確保です。したがって、野外に持ち出すためのバッテリーとしては適していません。また、容量にもよりますが、停電時にパソコンで作業中のデータを保存し、無事にシャットダウンすることが主な用途になりますので、2時間や3時間といった長時間、UPSからの電源で作業をすることは多くの商品において前提とされていません(中には長時間作業できるものもありますが、それらは非常に高価です)。
どうしても長時間使いたいときは、UPSを2台以上直列で繋ぐというやり方もありますが、コンセントに近い側の電源容量を大きくするなど、配置に注意が必要です。
パソコン以外も使えるの?
コンセントで電源をとる家電であれば、パソコン以外にも使うことができます。
ただし、ドライヤーや電子レンジなど、消費電力が大きいものの使用には向いていません。
また、ひとつの無停電電源装置に複数の家電を接続することもできますが、それだけバッテリーの持つ時間が短くなります。特に、大型テレビやブルーレイディスクレコーダーなど、最近のハイテク家電は消費電力が大きいものが多いので、パソコンと一緒に接続せず、個別に無停電電源装置を用意された方がいいと思います。
それから、次に述べる「正弦波・矩形波」にも注意が必要です。
正弦波・矩形波とは?
ここが無停電電源装置購入の一番のつまづきポイントなんですが、無停電電源装置には、正弦波の電流を発するタイプと、矩形波の電流を発するタイプがあります。
言葉で説明してもわかりにくいので図で説明しますと、正弦波というのは、下図のようななだらかな曲線を描く電流です。要するに、家庭のコンセントから流れる電流と同じです。
一方で、矩形波というのは、下図のようなカクカクとした電流を指します。矩形波は、機械にとってノイズになってしまうので、蛍光灯に流すとチカチカしますし、扇風機などのモーター製品では故障してしまうこともあります。パソコンでも矩形波に対応していないものがあります。
一般に、安価な無停電電源装置は矩形波を放出します。
パソコンや家電を壊さないためにも、家庭用コンセントと同様の正弦波を流す無停電電源装置を購入した方が安全です。
どこのメーカーがオススメ?
無停電電源装置は、各企業が発売していますが、評判が高く安定してコスパもいいのは、無停電電源装置に特化して開発をしているAPCというメーカーです。私も使用しています(2011年にAPCはシュナイダーエレクトリックに社名変更していますが、UPS本体には未だにAPCと入っています)。
それから、体重計などのヘルスケア製品でも有名なオムロンの製品も評価が高いです。
価格別オススメUPS
1万円未満
残念ながら1万円未満では正弦波出力の無停電電源装置はありません。強いて言えば信頼のAPC製である「ES 550 BE550G-JP」ですが、やはり不具合も多いので、オススメしません。
1万円〜2万円
1万円台には、素晴らしいUPSが沢山あります。どちらも容量は500VAで、焦ることなくパソコンの作業を終了させるには十分です。通常のご家庭ではこれでキマリ! APCとオムロンは好みですが、 個人的にはAPCがオススメです。
- 信頼性の高いAPCとオムロンのミディアムクラス
- 正弦波出力に対応!
- 容量も十分!
- 正面のディスプレイで常に状態確認可能!
2万円〜5万円
パソコン環境にこだわりがある方はこちらがオススメ! 上述の通り、シュナイダーエレクトリックは、APCが社名変更した後の名称です。
- 安心のAPC社製の上級モデル
- 正弦波出力に対応
- 750VAの大容量!
- 正面のディスプレイで常に状態確認可能
最後に
前述の通り、どうしてももっと容量を増やしたいという場合には、複数のUPSを直列で接続する方法があります。その場合には、必ず容量が違うもの(750VAと500VAなど)を購入し、「コンセント→UPS(750VA)→UPS(500VA)→パソコン」というように繋いでくださいね!
なお、無停電電源装置は一定の年限ごと(安いものであれば2年程度、高いものでも5年程度)に交換することを推奨されています。既に自宅やオフィスに設置されている方も、購入から5年以上経過している場合には、交換されることをオススメします。
この記事の内容は随時アップデートしますのでお見逃しなく!