リカレント!

Life is either a daring adventure or nothing.

東京人の優しさも捨てたものではない

My Pallas(マイパラス) シティサイクル26インチ6段ギア カラー/ホワイト M-501-W

東京の人も案外温かい 

 つい先程のことなのだが、いつものコースをランニングしている途中、目の前を走っていた自転車が突然倒れた

 乗っていたのは、高齢の男性(推定70代後半)。

 根っからの偽善者である私は、内心面倒だなと思いつつも、直ちに老人のもとへと駆け寄り、身体を引き起こそうとした。

 しかし、高齢男性の身体に対してどれくらいの力を入れて良いのか分からない。

 力を入れすぎて逆に骨折でもされたら困ったことである。

 おまけに、高齢男性の身体は完全に、横倒しになった自転車にのっかる形になっており、自分の力で立つことはできないようだった。

 つまり、私一人ではどうしようもない状況だったのである。

 

 そんな時、困っていた私を見かねたのか、近くを通りがかった子供連れの主婦(推定30代後半)と、革ジャンを着たイケイケの成人男性(推定30代前半)が歩み寄ってきて、手伝ってくれた

 結果として、私と成人男性が高齢男性の身体を持ち上げている間に、主婦が自転車を老人の下から引き抜くことで、高齢男性は再び立ち上がることができた。

 

 老人の家は近くだというので、私と主婦は老人の家まで付き添ったのだが、家には高齢男性の娘さんがいらして、お礼とともに、近くにあった自販機で飲み物を買ってくれた。

 偽善行為をすると良いことあるなぁ。

 

 思い返せば、見も知らぬ人から飲み物を買ってもらったことが、以前もあった。

 それは小学生の時のこと。

 仲良しの男友達2人との下校途中、目の前で中年女性がからのペットボトルを大量にばら撒いた。近くのイトーヨーカドーで実施していた、資源回収に持っていくところだったのだろう。

 当時道徳の授業を熱心に受けていた私は、友人らと3人で散らかったペットボトルを拾い集め、中年女性のもとへと持っていった。

 その女性はしきりに感謝(というか感心)し、何かお礼ができないかと、近くにあった自動販売機で飲み物を買ってくれた。私は、100円のカルピスソーダ(500ml)を買ってもらったのだが、友人と合わせて300円ほどの支出。ペットボトルを資源回収に盛っていったところで、100円にもならないだろうに、それよりも多額の支出をしてくれたのである。

 私は当時、この行動が理解できずにいたのだが、これは恐らく、地域のこどもが人のために行動するという行為に感心するとともに、「良いことをすれば自分に返ってくる」ということを教えるために、わざわざお金を出して教えてくれたのだと思う。

 

 とまあそんな感じで、今も昔も、東京の人は案外温かい。

 東京は、他人に目もくれない冷徹な社会で、地域的な見守りも機能しないように扱われることがあるが、実際にはそんなことはない。

 地域地域で細かく見ていけば、そこにはコミュニティが成立しており、深く関わっているわけではないけれども、互いに助け合いながら生活しているのである。

 自分の善行を喧伝するついでに、東京の人の温かさも案外捨てたものではないということを伝えたくて、こんな記事を書いてみた。