ついにフランスへ! 掟上今日子の旅行記
西尾維新「忘却探偵」シリーズの最新作「掟上今日子の旅行記」。
今回はなんと、忘却探偵掟上今日子がフランスで事件を解決します! というか、事件を起こします!
旅行代理店をクビになった隠館厄介が、退職金代わりに渡されたフランス行きの航空券。現地に着いた厄介は、白髪の忘却探偵を偶然見つけ・・・。
語学に堪能で海外で活躍していた頃の今日子さんの面影や、いつも以上に積極的な今日子さんの姿も見ることもでき、フランスの空気を感じることのできる素晴らしい仕上がりとなっています。
と、中身についての言及はこれくらいにして、今回読んでいて気になったのは、万能鑑定士Qシリーズとの関連性でした。
万能鑑定士Q:推理劇全16幕<「万能鑑定士Q」シリーズ> (角川文庫)
- 作者: 松岡圭祐
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2015/09/01
- メディア: Kindle版
これまで西尾維新が使うことのなかった「ラテラル」という言葉を急に使用してきたり、何より、舞台はフランスですからね。フランスと言えば、モナリザがテーマになった9巻や、フォアグラがテーマになった5巻で出てきて、万能鑑定士凜田莉子が最初に習得した外国語もフランス語でした。
ちなみに、「ラテラル」というのは、「横向きの・水平の」という意味で、万能鑑定士と世界観を同じくしている特等添乗員αシリーズの主人公浅倉絢奈がラテラル・シンキング(水平思考)を得意としています。
まあ、かと言って今日子さんはいつもどおりの網羅推理を駆使していて、ロジカルシンキングという言葉を明示的に用いたりしているわけではないんですけどね。
少し考え過ぎだったかもしれません。あまりに世界観が似ていたものでちょっとした思いつきでした。