民事訴訟法、刑事訴訟法に引き続き、商法(会社法・手形小切手法)について、予備試験の択一終了後、急いでそれぞれの科目を仕上げるために有用だった基本書や参考書を紹介したいと思います。
会社法の基本書
田中亘先生の会社法
これまで、会社法のスタンダードテキストとしては、神田先生の「会社法」や
リーガルクエストが一般的でした。
どちらの本も、会社法についてコンパクトにまとまっていて、初学者向けの本だとは思いますが、個人的には、会社法の規定がどのようにできたのかというバックグラウンドが分からず、いまいち内容が頭に入ってきませんでした。
しかし、田中先生が2016年に出された会社法の本は、これらの本と一線を画します。
初学者向けに記述が簡易で読みやすいのに加え、どういう経緯で会社法の規定ができたのか、どういう理由で会社の組織(取締役や監査役等)が置かれているのかということも説明されているため、すごく分かりやすいです。
神田会社法やリーガルクエストに比べて少し厚いですが、それは、本書の中盤に、簿記の知識なども掲載されているためです。そのあたりは後回しにしてしまえば、初学者が一番最初に読むべき本として最もオススメだと思います。
また、辞書としても使えるので、家に一冊置いておくのもありだと思います。
会社法の演習書
ロープラクティス商法
会社法の演習書は、ロープラクティスから手をつけるのがいいと思います。
事例研究会社法なども勉強になりますが、基本的な問題について網羅的に扱っているのは、ロープラクティスなので。
また、商法のロープラクティスは、他のロープラクティスと比べて特にできがいいと思います。他の科目のロープラに手を付けて挫折した方にもオススメできます。
手形小切手法の基本書
イエロー本
手形小切手法は、早川先生の黄色い「基本講義 手形・小切手法」がオススメです。
薄い本ですが、手形小切手法の重要論点について詳しく網羅的に書いてあります。
図も多く、2色刷りで見やすいです。
日常生活でなじみがなく、想像しにくい手形・小切手の世界について、具体的なイメージをもって学習することができるので、手形小切手法の学習はひとまずこれだけ回せばいいのではないかと思います。
手形小切手法の演習書
手形小切手法は、いまや司法試験では殆どでません。しかし、予備試験では定期的に出題されているため、予備試験の過去問を解いて、そこで出題された問題を解くという程度でいいのではないかと思います。