日本語訳された「ハリーポッターと呪いの子」を読みました
ついに発売された「ハリーポッターと呪いの子」。
ハリーポッター劇場版の脚本である本作は、「ハリー・ポッターと死の秘宝」でヴォルデモートを打ち倒してから20数年後の話を描いてており、ハリーポッター8巻目にして最終巻とも呼ばれています。
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- 作者: J.K.ローリング,ジョン・ティファニー,ジャック・ソーン,松岡佑子
- 出版社/メーカー: 静山社
- 発売日: 2016/11/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
本作では、タイムターナーを主要なアイテムとして、ハリーの息子アルバスとドラコの息子スコーピウスの活躍を描いているのですが、アルバスがスリザリンに編入されたり、スコーピウスが親と違ってすごく良いやつだったり、過去の世界でスネイプと共闘したりと、ハリーポッターファンにとっては満足できる一冊となっています。
さて、私は既に、英語版発売直後に英語で読んでいて、内容は知っていたのですが、改めて日本語版を読みました。
英語の解釈が合っていたか、答え合わせしながら読んでいたのですが、基本的に読み間違えはなくて安心しました。
相変わらずハリーは親バカですし(親なしに育てられたから仕方ないとはいえ)、スコーピウスは素直で良い奴で何故グリフィンドールに組分けされなかったのかと逆に不思議なくらいですし、スネイプが出て来るシーンは相変わらず感動的ですし、父ジェームス・ポッターらが殺されるところをハリー自身が見るシーンには涙を誘われます。
ただ、ひとつ難点をあげるとすれば、日本語訳が直訳的だったことですかね。
脚本形式であるため仕方ないのかもしれませんが、ハリーポッターの本編シリーズはもうちょっとしなやかな日本語訳だったのに、本作は英語をそのまま日本語に訳したような箇所が多かったように思います。
特に残念だったのが、終盤で、アルバスがハリーに伝えるために毛布に残したメッセージでした。
原作では、アルバスが「Dad. Help. Godric's Hollow.」と書いたのを、毛布に書いたことと経年劣化ため読みにくくなり、ハリーが「Dad Hello Good Hello」と読んで首を傾げるシーンなのですが、日本語版ではそれぞれ「父さん。たすけて。ゴドリックの谷」、「父さん、ハロー、グッド、ハロー」と訳されてしまっています。
「たすけて」の部分には「ヘルプ」とルビが振ってありますが、「谷」には「ホロウ」のルビは振っておらず、2つの文章の共通点を見出だしにくくなってしまってます。
別に、これによって物語の大筋が変わるようなことはなく、細かい部分ではあるのですが、これではどうしてハリーが「父さん、ハロー、グッド、ハロー」と読んだのか、全然分かりませんよね。ハリーが単なるトボけたおじさんになってしまっているような印象を受けます。
仕方のないことだとはいえ、この部分をどのようにアレンジして日本語訳するのかを楽しみにしていたので、これは残念でした。
と、細かいダメ出しはこれくらいにして、全体的には日本語訳でも存分にワクワクどきどきできる作品なので、当時魔法の世界に憧れた方々には、是非手にとって頂きたいなと思います。
英語版の原作でも日本語版のアレンジでもどちらでもいいので、国内で演劇を公演してくれないかなぁ。さらに欲を言えば、本作の映画化なんて、どうでしょうか??