リカレント!

Life is either a daring adventure or nothing.

温泉旅行の楽しさを教えて欲しいのです

大人のちょっと贅沢な旅 2016-2017冬 (じゃらんMOOKシリーズ)

温泉旅行ってどうやって楽しむべきなの?

 立冬を過ぎて冷え込みも厳しくなった今日このごろ。

 ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも来週は新婚旅行で温泉に行くようですが、私は温泉旅行の楽しみ方が分からないのです。

 別に他人の趣味を否定するつもりはないのですが、わざわざ遠くに行って、温かいお湯に浸かって、何が楽しいのかなと。

 車好きの私は、温泉地にいくまでのドライブの方がむしろ楽しい。

 もちろん、山登りを終え、疲れて冷えた身体で山麓の温泉に浸かる瞬間とかは、温泉もいいなと思う瞬間もあるのだけど、その場合、温泉はあくまで登山の従物であって、主物ではないのです。

 ちなみに、私がお湯に浸かって一番気持ちいいと感じたのは、岩手県一関市大東で2月の氷点下に行われる水掛け祭り(参考:http://www.ichitabi.jp/event/data.php?no=61&m=2)後に浸かった即席温水プールなんだけど、登山後の温泉というのはこれに似ています。要するに、別にミネラルたっぷりの温泉でなくても、身体が疲れたり冷えたりしている時は普通のお湯でも気持ちいいということ。

 そのような付属物としての温泉(お湯)の良さは分かるのですが、温泉自体を目的とした旅の楽しみ方が分からないのです。

 日常生活に疲れた時に温泉に行くと良さが分かるよという声もあるのかもしれないけれど、以前仕事をしていて、睡眠時間3時間の毎日が1、2ヶ月続いていた頃は、休日温泉に入るよりも寝ていた方がよほど気持ちよかったし、疲れが取れました

 でも、日本に多くの温泉旅行ファンがいるように、温泉旅行の良さっていうのは何かしらあるんでしょうね…。

 ただ、残念ながら、私はまだ若すぎるのか、温泉旅行の良さが分からないのです?

 これからの長い人生、温泉旅行に行くたびに、「つまらないなー」と思いながら温泉に浸かるのも残念。できることなら、その良さを存分に味わいたいと思うので、何とか温泉旅行の良さを知りたいところ。

 ということで、どなたか温泉旅行の好きな方で楽しむコツをご存じの方がいらっしゃいましたら、是非教えてくださらないでしょうか

 

(追記)

 じゃーなさんが、本件について説明してくださいました。じゃーなさんによれば、「基本、景色、食べ物、温泉の三位一体」であって、「本題の「温泉自体を目的とした旅の楽しみ方」が、意外に少数派だと言えるんじゃないか」とのこと。説明の仕方がとても上手く納得させられました。

(更に追記)

 生かし屋さんに、温泉を異世界だと考えるという新しい楽しみ方も教えてもらいました! 確かに、そのように考えてみると面白いかも!?

5日間で5000km! 自動車でアメリカ横断した記録

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アメリカを自動車で単独横断した記録

 以前はよく、海外旅行に出かけていました。

 今回はその中でも特に印象深い、大学時代最後の春休みにアメリカを自動車で横断した思い出を振り返ってみたいと思います。

目次

全体像

 旅の全体像は、次のような感じ。

 正確な記録を残したわけではないので、完全に上の地図通りの経路を通ったわけではないのですが、ニューヨークを出発して、シカゴからはルート66を通りながら西海岸のサンタモニカまで。およそ5,000kmにも及ぶロングドライブでした。

 要した期間は、わずか5日!

 「プロのトラック乗りみたいなことしていないで、ゆっくり観光すればいいじゃん」という声が聞こえて来そうですが、これは、とある事情のため仕方なかったのです。

 その事情とは、大学の卒業式が目前に迫っていたこと。

 「そんなギリギリの計画を組むほうが悪い」と言われそうですが、実はこれ、事前に計画したわけではないのです。

 同年2月末日、大学での最後の試験を終えた私は、ユーラシア大陸横断に向けて旅立ちました。山口県下関市からフェリーで中国青島へと渡った後、旧ソ連地域やEU地域を鉄路で抜けて最終的にポルトガルのロカ岬まで到達し見事ユーラシア大陸横断を成し遂げたのですが、その時ふと思いました。

 「このまま日本に帰らずに、アメリカを横断してから日本に帰れば、世界一周になるんじゃない??

 幸い、切り詰めて旅行してきたお陰で、資金も少し余裕がありましたし、日程的にも大学の卒業式まで1週間ほどありました。以前、ジャニーズの山P(山口智久)が1週間でルート66を走破しているのを見ていたので、「これは行けるな」と。 

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  アメリカを横断するためには、「アムトラック」と呼ばれる鉄道に乗るという方法もありましたが、それまで延々と鉄道旅を続けてきた私は、レールに乗って運ばれる旅の方法に嫌気が差していました。運転したくて心がウズウズしていた私は、「自分の力で移動してこそ旅でしょ」と、自動車でアメリカを横断することに決めたのです。こうなったときのために、国際免許証も持ってきてましたしね!

 一応補足しておくと、私は普段から都会人にしては車に乗る方で、大学時代に東京から青森まで車で行って東北地方の県を制覇したり、東京から四国や九州まで行って、西日本の府県を制覇したりしていましたので、ロングドライブについての心得は持っていました。

 このように、アメリカ横断旅行はユーラシア大陸横断のおまけのエクストラステージのようなものだったので、むしろ車の運転自体を楽しむ形で5日間の旅となったのです。

ポルトガル→モロッコ→アメリカ(ニューヨーク)

 ロカ岬からポルトガルの首都リスボンへ戻る間、アメリカまでの航空券をskyscanner(スマホの航空券予約アプリ)で確保し、レンタカーの手配まで済ませた私は、リスボン空港からニューヨークケネディ空港に向かって旅立ちました。

 その時に乗った飛行機がこれ。

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 ロイヤル・エアー・モロッコというその名の通りモロッコの航空会社の飛行機でした(安かったから)。実際には、モロッコで20時間ほどのトランジットがあったので、初めてのアフリカ大陸にワクワクして遊んでいたりもしたのですが、それはまた別の記事で。なお、モロッコはアラビア語圏で英語が一切通じないのですが、旧フランス領なのでフランス語が通じます。ヨーロッパ旅行のついでにモロッコに行ってみたい方は参考に。

ニューヨークケネディ空港でレンタカーを借りる

 東海岸(ニューヨーク)で借りて西海岸(ロサンゼルス)で返すという「乗り捨て」の都合もあり、レンタカーは大規模展開しているHertz(ハーツ)で借りました。当時25歳未満で割増料金が適用されたこともあって、1週間借りるのに総額20万円くらいでしたが、乗り捨て料金が約5万円と安かったのは助かりました。

 値段が高いのは、「ちょっと贅沢な車を選んだ」というのもあります。

 アメリカで折角運転するので、大衆に自動車を普及させ社会を発展に導いた「自動車の育ての親」フォードの車に乗りたかったのです。

 本当はフォード・マスタング・コンバーチブルあたりも考えたのですが、3月末で五大湖周辺の道路凍結状況などがわからなかったことと(なおアメリカにスタッドレスタイヤはない)、「できれば大きい車に乗りたい」という希望もありSUVに乗ることにしました。

 車種の指定には追加料金が必要だったので、指定せずに貸してもらったのがこちらの車でした。

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 フォード・エッジという日本未発売の車です。位置づけ的には、日本でも発売されているフォード・エクスプローラーを一回り小さくしたもの。前から見るとカバみたいであんまりかっこよくない笑

 そういえば、借りる時、ちょっとしたトラブルがありました。

 受付でクレジットカードによる支払いを済ませた私は、所定の書類を渡され、借りる車のナンバーを教えてもらいました。日本のレンタカーと違って、係の人が一緒に車のところに案内してくれるスタイルではなく、自分で車のところにいくスタイルです。受付の女性いわく「キーは車の中に入ってるから、自分のタイミングで出発してね。もちろん、ドアは開いてるわよ」とのこと。で、実際に行ってみると…

 車のドアが開かない!!

 仕方がないので、たまたま近くにいた男性従業員に相談してみると、どうやら「キー閉じ込め(車の中にキーを置いたまま、ドアがロックしてしまうこと)」が起こっている様子。

 えー、どうするの? 車変更??

 などと思っていると、相談していた男性従業員は、近くから謎の金属棒(ハンガーを針金にもどしたようなもの)を持ってきて、完全に閉まっているはずの窓の隙間に突っ込みます

 窓閉まってるから無理じゃない?と思って見ていたのですが、なんと、見事に金属棒の先端を車の中に入れた従業員は、その棒でドアのロックを解除し、キー閉じ込め問題を解決したのです。

 車の盗難事件がどのようにして起こっているのか、その手口を垣間見た瞬間でした。

 幸先が良いのか悪いのか、そのようにして私のアメリカ横断旅行は始まりました。

ニューヨーク→デトロイト(1日目 +1,000km 累計1,000km)

 以前観光したことのあるニューヨークは、今回特に観光せず(時間がなかったので)、ひとまずルート66のスタート地点であるシカゴへ向かおうと、ニューヨークにおける「首都高」的存在の有料道路を通って、西へ向かいます。

 ちなみに、アメリカでもETCのようなシステムがあって、現金を支払わずにゲートを通過することができます。画期的だったのは、それがレンタカーにも搭載されていて、返却時に精算できるということ。そのようなシステムの存在を知らずに運転していたのですが、ゲートで現金を払おうとしたら係員が教えてくれました。

 トラブルがあったこともあり、ニューヨークを出て郊外に出た頃、辺りはすっかり暗くなっていました。機内食しか食べていなかった私は、食事を取ることにしました。

 ユーラシア大陸横断のため、極力荷物を減らそうとガイドブックなどを持ってきていなかった私は、道端にあったファミレスに入ります。

 安くて腹持ちしそうなものということで頼んだのが、ミートボールスパゲッティ。

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 写真だと伝わりにくいのですが、これがアメリカンサイズで結構デカイ! しかも、なぜか左右にパンまで付いてます笑

 やっぱりアメリカだなぁ、というありきたりな感想を漏らしながら美味しく完食した私は、運転を再開。

 飛行機の中で昼過ぎまで十分に寝ていた私は、動ける内にできるだけ距離を稼いでおこうと、その日は宿をとらずに夜通し運転することにしました。

 燃費のそこそこ悪いSUVのガソリン代等も考えると、毎日ホテルに泊まれるほど金銭的な余裕はなかったためでもあります。アメリカでは、幹線道路沿いの「モーテル」が安いというイメージがあるかもしれませんが、一人旅のドライバーにとっては、老朽化している割にそこまで安くありません(1部屋1泊5,000円くらい。複数人で泊まるなら安いと言えるかも)。

 それから、アメリカの自動車旅行で絶対にやってはいけないのが車中泊です。日本と違って、アメリカでは、一般人が拳銃を所持している可能性があります。いくら車のドアをロックしていようと、車の外から拳銃で撃たれればひとたまりもありません。現に、外国人が車中泊をしている際に強盗に襲われるといった事例はよくあるらしいです。それは、高速道路のサービスエリアのような場所においても同様です。

 私の場合、本当に眠くてしょうがないときは、車の後部座席の足元(後部座席の乗客が足を置く部分)に横になり、隠れて仮眠をとっていました。強盗を恐れた結果、事故ったりしたら本末転倒ですから(このやり方も危ないのでオススメしません)。

デトロイト→シカゴ→テキサス州へ(2・3日目 +2,200km 累計3,200km) 

 雪混じりの雨が降る中、初日から夜道をプロトラッカーとともに1,000kmほど奔走した私は、明け方にはデトロイトに到着していました。

 せっかくフォードに乗っているので、フォードで栄えトヨタによって潰された街デトロイトを訪れたかったんですよね。あえてプリウスで乗り込むのも面白いかと思ったんですが、アメリカで日本車に乗ってもつまらないですし、悪趣味なのでやめました。

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 これがフォード本社ビルです。悠々とそびえ立っていましたが、前評判で聞いていた通り、街中は閑散としていました。時代の趨勢を感じます。

 ところで、デトロイトが、どんな場所に位置しているかご存知ですか?

 実は、下の地図にあるように、カナダとの国境付近に位置しているのです。 

 こうなったら、あれをやるしかないですよね。

 自動車による国境越え

 特にカナダに用はなかったのですが、これを体験してみたいがだけに、一瞬だけカナダに入ることにしました。

 撮影する暇がなくて写真が残っていないのですが、自動車で国境を超える場合、高速道路の料金所みたいなところで検査を受けて通ることになります。

 初めての手続きで緊張しながらアメリカ→カナダのゲートへ向かうと、普段空港で聞かれるような入国目的や滞在期間に関するやりとりをし、車に載せた荷物の検査を経た後であっさりと通ることができました。

 意外にあっけないものだなと思って、カナダの「ウィンザー」と呼ばれる地域を車でブラブラしていましたが、世界の現実を身をもって体感するのはカナダからアメリカに入国する時でした。

 特に何をするでもなく、1時間ほどカナダに滞在して、カナダ→アメリカの入国ゲートに向かったのですが、そこには長蛇の列が出来ていました。

 あれ、アメリカからカナダに入るときはあんなにスムーズだったのに、なんでこんなに混んでるんだろう、と思いながら前方車両を見ていると、入国審査をしている係員とドライバーが口論しています。

 口論になるのはレアケースだとしても、アメリカに入国する全ての車に対して、厳しい検査をしているようでした。

 いざ私の番になったときも、次のような質問をされました。

・入国の目的は何か(←出稼ぎに来たアジア人を見るような目)
・なんでこんなに多くの国を短期間で移動しているんだ(←運び屋でもみるような目)
・なんでお前みたいな若者が、そんな車を借りられるほどの金を持っているんだ(←薬の密売人でも見るような目)

 世界一位の経済大国で、出稼ぎに来る外国人も多いアメリカなので仕方ないとは思いますが、まるで不法滞在を前提として入国しようとしていることを疑われるかのような入国審査でした。

 「どうしてそんなに金を持っているのか」と聞かれてもねぇ…。

 その後、厳しい車内の荷物検査も終えて、やっと入国。20分ほどやりとりしていた気がします。

 メキシコとの国境において、アメリカの入国審査が厳しいというのは聞いたことがありましたが、カナダとの国境もこんなに厳しいんですね。カナダに入るときの審査がほぼスルーだったこともあって、そのギャップに驚きました。

 そうこうしてアメリカに再入国した私はまた走り、やっと、ルート66の出発地点であるシカゴに到着することができたのです。

 残る4,000kmの距離を前にして、まだ休む気にはなれませんでした。時間の都合もあって、ルート66に沿ったインターステートも使いながら西海岸を目指します。

 お腹が空くと、ガソリンスタンドに併設されたショップで購入したホットドッグで腹ごしらえしながら、レッドブルでエネルギーを注入していました。

 そうそう、レッドブルは国によってその成分が大きく違うんですが、知ってました?? アメリカのレッドブルは、日本と違って「タウリン」が入っています。リポビタンDとかに入っているあれです。タウリンは、疲れた身体を回復させる効果があるので、カフェインで目を覚まさせるだけの日本のレッドブルと違って、回復効果があります。しかも、アメリカでは500mlのレッドブルとかも売っています(そんなに飲んでいいの??)。

 そんな感じで、基本的に軽食とレッドブルで食事を済ませていた私ですが、ルート66を旅する上で、どうしても寄りたい場所がありました。

 シカゴから走り始めて2時間ほどで到着するDixie Truckers Homeです。

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 ルート66を通るトラッカー達をずっと支え続けてきたこの施設。トラック用の大きなガソリンスタンドも付いていますし、シャワー施設やレストランも併設されています。

 ここの駐車場から見た真っ赤な夕日が、すごく綺麗で印象に残っています。このページのトップに使用している画像も、ここで撮影したものです。

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 従業員も気さくで、ルート66を通ってアメリカを横断している日本人と知るやいなや、色々と話してくれました。

 ここのレストランでは、800円くらいでビュッフェ形式の食事をとることができます。

 きちんとした食事を心から欲していた私は、盛り方を気にしている余裕がなくて、ごちゃごちゃしていますが、白身魚のフライやきのこクリームソースのチキン、マッシュドポテトなどすべて美味しかったです。3回くらいおかわりしました。

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 腹ごしらえを済ませた私は、ただひたすらに西へ向かいます。

 アメリカの道路は、どこも「EAST」と「WEST」という表示があって、ひたすら「WEST」を目指していれば西海岸に着きます

 そのかわり、カーナビがかなりチープでした(少なくとも私が借りたものは)。日本で普及している、リアルタイムで地図上に現在地を表示するカーナビではなく、緯度と経度が数字で表示されただけのモノクロ画面のカーナビです。「ターン ・ ライト ・ トゥーキロメーターズ ・ アヘッド」のように音声での案内がありますが、単語の間隔が広くて全然流暢に話してくれません。それでも慣れてしまえば何とかなるもので、無事に目的地に着くことができるのが面白いところ。

 次なる目的地であるテキサス州を目指して2,000kmの道をひたすら走りました。

テキサス州で巨大ステーキ(3日目の夕方 +0km 累計3,200km)

 アメリカを車で横断するにあたって、絶対に欠かしてはならないもの。

 それが、BIG TEXAN(ビッグ・テキサン)です。

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 ここでは、2kgの巨大ステーキを食べきれば無料!の大食いチャレンジに挑戦することができます。食べ切れなければ数十ドルの罰金がありますが、そんなのは関係ありません。

 だって、アメリカと言えばビーフ! アメリカに来て肉を食べずに何を食べるのか! ですよね?

 店内は、次のような明るい雰囲気。部屋の真ん中には、一段高くなった72オンス(2kg)ステーキ挑戦者用のテーブルがあります。

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 注文を取りに来た店員に、2kgステーキに挑戦したいという旨を告げると、真ん中のテーブルに連れていかれました。

 同じタイミングで、他の州から来たアメリカ人男性2人と、地元テキサス州出身のアメリカ人男性も挑戦者としてステージに上がってきます。

 私も含め4人の挑戦者が同時に挑戦することになりました。

 待つこと10分。

 お目当ての代物が運ばれてきました。

 見てこのド迫力!!

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 もうここまで来ると、ステーキというより焼いた肉塊です。

 肉だけでなく、一緒についてくるサラダやパン、ジャガイモも食べ切らなければいけませんが、このパンやジャガイモが曲者で、炭水化物を先にとってしまうと満腹中枢が刺激されてお腹いっぱいになってしまうので、後回しにします。

 このステーキ、赤身の部分が多くて、最初食べているうちは美味しく食べられるのですが、冷めてくると食べるのが大変になります

 顎は疲れてるのに、肉はどんどん硬くなってくるので、お腹いっぱいというより前に、顎がやられます。

 そして、硬い肉に飽きてきたなと思って、気分転換にパンやジャガイモに手を出してしまうともう終わりです。顎も疲れて、お腹もいっぱいになって、何にも入らなくなります。

 「頑張れ、ジャパニーズボーイ!!食べろ!!食べるんだ!!」という声援も飛んできたりするのですが、残念ながら半分の1kgほど食べたところで1時間の制限時間が終わり、ギブアップとなってしまいました。

 ちなみに、他のアメリカ人はというと、他の州から来た2人組は私と同じくらいでギブアップしていましたが、テキサス州出身の男性は見事食べきりました!!やっぱり、テキサスカウボーイは違います。

 食べ残した分を持ち帰り用のパックに入れて店を出たとき、外にいた男性からかけられた「ダメだったのか。ナイスファイトだよ。」という言葉が虚しく響きました。

 もし今後ビッグテキサンに挑む方がいらしたら、お伝えしたいことがあります。それは、「日本で食べるようなステーキを想像してはいけない」ということです。日本で食べるステーキは、脂が適度にのっていて、旨味が凝縮された適度な歯ごたえが魅力だと思うのですが、ここで出て来るステーキは違います。基本的に赤身。美味しいですが、好んで食べるほどの味でもないです。アメリカテキサス州に来た思い出に是非挑戦してみて欲しいですが、この1時間はかなりきついですよ。

 アメリカの巨大さにあっけなく敗れた私は気落ちして、その日はきちんとモーテルに泊まることにしました。

テキサス州→ロッキー山脈→ラスベガス(4日目 +1,300km 累計4,500km)

 昨晩ステーキを食べてすぐに寝た私は、かなり早い時間帯に目が覚めました(朝4時くらい)。フロントに誰もいませんでしたが、そのような場合はキーをフロントに置いておけばいいということだったので、自らチェックアウトして旅立ちました。

 テキサス州のあたりは、グレートプレーンズというだけあって、本当に真っ平らです。

 透き通った青い空の下、ひたすらまっすぐな道を進むというアメリカ自動車旅の醍醐味は、このアメリカ中部でこそ味わうことができます。

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 ニューヨークからデトロイトの道では雪がふるほど寒かったのに、このあたりに来るとむしろ「暑い」と感じるようになりました。

 広大な景色を眺めながら進むこと1,000km、次第に雄大な山々が目に入ってきます。

 そう、ロッキー山脈です。

 教科書で見たことしかなかったロッキー山脈は、想像していたよりもはるかに雄大なものでした。

 そこを車で通り抜けていくのがまた楽しいんですよね。ゴツゴツした赤い岩山の中をワインディングしながら駆け抜けていくその感覚は、ディズニーランドのビッグサンダーマウンテン(を何十倍も巨大にしたもの)を自分で通り抜けていくような楽しさがあります。

 夕日に照らされたロッキー山脈を抜けると、ゴールであるサンタモニカまであと1,000kmほど。旅の終わりが近づいていることを実感します。

 さて、日数的には余裕がある一方、資金面がかなりギリギリだった私は、とある場所へ向かうことにします。

 どこへ行ったか。

 もう察しがつきますね。

 世界最大級のカジノの街ラスベガスです。

 私が大好きな沢木耕太郎も、「深夜特急」の中で、マカオのカジノで旅行資金を増やそうとしていました。

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

 作中のような奇跡が私にも起こらないかなと淡い期待を懐きながらロッキー山脈を下っていきました。

 これまでグレートプレーンズやロッキー山脈といった広大な大地を通ってきた私。

 ラスベガスに近づくにつれて人工的な景色になります。

 ラスベガスの街が遠くに見えたのは、夜7時過ぎ。

 真っ暗な景色の中、この世の光を全て集めたかのように綺羅びやかに光り輝くラスベガスの街は、これまで私が見たどの夜景よりも綺麗でした。

 ラスベガスに到着した私は、定番のサーカスサーカスというカジノに入ってみました。

 いきなりブラックジャックとかはハードルが高かったので、100ドル(約1万円)をカジノ用のカードにデポジットして、低レートのスロットで遊ぶことにしました。

 私の100ドルのデポジットは、上がったり下がったりを繰り返しながら、150ドルほど上昇しました。

 「これは行けるぞ」と思いましたが、その日だけで1300kmの道のりを走ってきた私に睡魔が訪れます。カジノの中で居眠りをするのは危ないと考えて、外に出ました。(その後、カジノの駐車場で後部座席の足元に横たわり怯えながら車中泊をしたのは秘密)

ラスベガス→ハリウッド→サンタモニカ(5日目 +500km 累計5,000km)

 翌朝、気を取り直して「今日こそ稼ぐぞ」という意気込みで高レートのスロットに挑んだ私は、見事に絶不調1,000ドル(約10万円)に増額したデポジットが、じわじわじわじわ目減りしていきます。400ドル減ったときには、さすがに諦めました。カジノでスって航空券を買えず、大学の卒業式に出られなかったとなったら、一生の笑いものですからね(逆にオイシイけど)。

 一発大逆転の夢を諦めた私は、ラスベガスの街を観光することにしました。

 ラスベガスのホテルは、噂で聞いていた通り、ディズニーシーのような光景(ベネチアのような光景)が広がっていたり、

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滝があったりと、非常に豪華でした。

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 まあ、カジノで負けた私には、絵に描いた餅なんですけどね。

 人を羨んでも何も生まれないので、気を取り直してゴールのサンタモニカへ向かいます。

 ロサンゼルス市街に近づく中、かつてないほどの渋滞に巻き込まれます。ロサンゼルスは、地下鉄等の公共交通の治安が非常に悪いので、住民の多くが車移動をするため、交通量が非常に多くて渋滞するんですよね。

 そんな渋滞の末にたどり着いたのが、ハリウッド。時間に余裕があったので寄り道です。

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 ↑ほら、遠くにHOLLYWOODの文字が見えるでしょ(遠くてショボすぎ)

 ↓ハリウッドスターの手形が刻まれた有名な通り

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 一通りハリウッドを満喫した後、ついに最終目的地であるサンタモニカへ。

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 海を見ると落ち着きますね。

 達成感とともに海を眺めているうちにだんだんと日は傾いていき…。

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 一緒に旅してきた相棒フォード・エッジとも、そろそろお別れです。思えば、NYからシカゴへの道程で雪が降っていても一切スリップしなかったAWDのフォード・エッジ。作りもしっかりしていて、長時間運転していても全く疲れないほど乗り心地がよかったし、トルクもあってロッキー山脈も楽々超えられました。AWDの補正が働いていたおかげで、大きさの割にロサンゼルス市内でも取り回しやすかったですしね。これ以上ない、最高の相方でした。

 

 「次アメリカに来た時も、フォード・エッジを借りるよ」

 

 ロサンゼルス国際空港で別れを告げた私は、無事に帰途につき、その翌日、大学を卒業しました。

旅を終えて

 改めて思い出してみると、かなりハードな旅程でしたね。

 でも、これこそ、私がやりたかった旅。

 やりたいことをやりきったからこそ、大学生活に悔いを残すことなく、社会に出ることができました。

 

 自分で行き先を決め、自分の動きたい時に動き、自分の休みたい時に休める、自動車の旅は最高です。鉄道の旅と違って、自分が動かなければ前に進まないし、予定が狂う可能性や道に迷う可能性、最悪、事故にあう可能性もあります。しかし、だからこそ成し遂げたときの達成感は一入(ひとしお)です。もしかしたらこの性格こそが、私の人生に多大な影響を及ぼしているのかもしれませんが、それはまた別の話。

 やはり、旅は人生ですね。

金沢土産で貰って嬉しかったものと、買って失敗した金沢土産

北陸新幹線で金沢に行かれた方へ

お土産、困っていませんか?

 ゴールデンウィークで金沢に行かれている方、お土産を何にしようか、困っていませんか?

 半沢直樹で有名になった「じろ飴」は、値段や容量からちょこっと渡すお土産には適していないし、金箔を渡しても微妙な反応をされるだろうし…。

 普通のお土産を選ぼうと思っても、お土産の種類があって、どれにすればいいのかわからない…。

 そんな方のために、貰って嬉しかった金沢土産と、買って失敗した金沢土産を紹介します。

貰って嬉しかった金沢土産

かいちん(石川屋本舗)

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 カラフルできれいな見た目のこちらは、「かいちん」というお菓子です。「かいちん」とは、金沢で「おはじき」の意味です。

 見た目から、砂糖でコーティングされたグミを想像するかもしれませんが、味と食感はもっと上品です。外側が砂糖でコーティングされているのはその通りですが、中は寒天なので、噛んだ瞬間にフワッと溶けます。甘さも上品ですし、サクッと噛んでフワッと溶ける、この食感がクセになります。

 きれいな見た目で、食べても幸せになる「かいちん」。小さい包装のものだと756円。

 私の一押しの金沢土産です。

 

買って失敗した金沢土産

加賀棒茶まんじゅう 金澤 雅(幸栄堂)

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 こちらのお菓子、金沢駅の構内にあるお土産ショップで買いました。

 下の食べログにも書いてある通り、包装の仕方と売り文句はうまいんですよね。小包装ですし、「加賀棒茶を練り込んだ餡」に「能登の大納言を入れ」、さらに「金箔まで振って」ある。もう金沢らしさ全開じゃないですか。私もついつい買ってしまいました。

 しかし、旅行後、お土産ついでに私も一口食べてみたところ、「ん?」という感じ。

 いや、別にそこまで「まずっ」というほどではないんですが、決しておいしくはない。

 よく見てみると、モンドセレクション銀賞受賞。

 10万円払えばもらえるモンドセレクションの銀賞って…。金賞じゃなくて銀賞って…。

 今後、モンドセレクション銀賞以下は絶対に買わないと心に誓ったお菓子でした。

今でも若者は沢木耕太郎の『深夜特急』に憧れて一人旅に出るのだろうか

私も沢木耕太郎に憧れた一人

 私が一人旅に出たのは、大学4年最後の1ヶ月。2013年の3月である。

 下関から青島行きのフェリーに乗り、シベリア鉄道などを経由してポルトガルのロカ岬まで到達した後、アメリカに渡って車で西海岸まで横断した。もちろんこんな旅を請け負ってくれる旅行代理店はなかったから、全て自分で手配した。大学4年間全てかけて準備したと言っても過言ではない。

 1ヶ月で世界一周するため、準備は周到に行った。世界一周のために、前期教養学部の2年間で、中国語・ロシア語・フランス語・スペイン語を学習したほどだ。日本にいる間に、中国の旅行代理店に中国高速鉄道とシベリア鉄道のチケットの手配を依頼し、アメリカの"Way to Russia"というサイトで発行した空インビテーションでロシアビザを発行した。ユーレイルパスも事前に入手していたし、国際免許の発行も忘れなかった。

 事前に国内で確保することができなかったのは、モスクワからEU圏までの移動手段だけであった。安全策をとって、ベラルーシを通るルートとウクライナを通るルートの2つを想定し、ベラルーシのビザも取得しておいた。

 沢木耕太郎が深夜特急に記したような行き当たりばったりな旅に憧れていたが、そこまでの勇気はなかったというのが正直なところである。

私が「深夜特急」を読んだきっかけ

 私に深夜特急を読むきっかけを与えてくれたのは、下の記事で紹介した友人であった。私よりも4年も前、18歳にしてユーラシア大陸単独横断を成し遂げた彼が、教えてくれたのである。

 読めば読むほど深夜特急の世界に引き込まれた。音を聞き分けて大勝しかけたマカオのカジノや、耽美で爽やかなペナンの娼婦の宿、タイの女学生との交流。イスタンブールで詐欺師の熊に襲われそうになった場面は最も印象深い。

外国への見方を変えた沢木耕太郎は偉大である

 今でもそう思っている日本人が多いのかもしれないが、外国は、日本人が思っているほど怖い場所ではない。強盗や殺人、テロが日常茶飯事の世界なんかではない。海外から日本に伝わって来るほどの強烈なニュースが、先入観を植え付けているのである。

 深夜特急を読んだ人間は、本を通じてそれを知り、海外に旅立つハードルが低くなる。同書をバイブルという人の中には、深夜特急という書物がなければ海外一人旅に出ていないという人も多いのではないだろうか。

 「未知」の世界の恐怖を解消し、旅立つべく心震わせてくれる物語を記した沢木耕太郎は、やはり偉大である。

 

人生一度は世界一周一人旅をしよう

 ブログを始めて改めて実感したが、今や世界一周をした経験のある日本人は五万といる。聞いたところによると、転職の際の面接でも、「バックパッカーやっていました」とか「世界一周しました」という人はありふれているらしい。

 しかし、たとえそうであったとしても、世界の広さを知り、海外を身近に感じることのできる人の方が好ましいと思う。井の中の蛙は空の高さを知るというけれど、井の外の蛙は空の高さだけじゃなくその広大さも知っている。

 海外に行くことへのハードルを高く感じている人は、一度「深夜特急」の世界に触れることをお勧めしたい。

 

深夜特急(1?6) 合本版

深夜特急(1?6) 合本版

作者: 沢木耕太郎

出版社/メーカー: 新潮社