最近読んだ2つの記事
私は、最近次の2つの記事を読みました。
これらの記事は、一見全く異なる内容を扱っているようですが、実際には共通項を見出すことができます。
それは、大きな市場で勝負しなければ勝てない、という話です。(もちろん、とまじぃさんの、専門的でニッチな分野で勝負した方がロングテールで勝てるというのも一理あると思うので、それを否定するつもりはありません。私は、ニッチな記事の方が読んでいて好きですし。)
大きな市場で勝負しないと勝てない
大きな市場で勝負しないと勝てない。それは、私がこれまでの人生で何となく感じてきたことであり、最近特に実感を持っていることでもあります。
そんなことを思いながら、次のような記事を書いたこともありました。
その後、Twitterなんかよりも、GoogleとかYahooの方がもっと大きな市場であることを体感し、上の記事に関する考えは多少変わりつつもあったりするのですが、大きな市場で勝負すべきだという根本部分は変わりません。
もちろん、ニッチな分野で活躍する人はいます。代打での打率が高かった野球選手の元木大介選手や大道典良選手は、代打の場面で活躍しました。巨人からドラゴンズに移籍した川相昌弘選手は、バントの名手として、バントの場面では必ず起用されていました。元千葉ロッテマリーンズの渡辺俊介を出した方がわかりやすいでしょうか。日本球界屈指のリリースポイントを誇るアンダースローの投手で、その低さからサブマリン投法と呼ばれ、特にWBCなどの国際戦では重宝されていました。
しかし、ニッチな分野で活躍する人たちは、王道を行く人たちにいずれ淘汰されてしまいます。
現に、渡辺俊介投手は、国際試合ではその投法に慣れない外国人投手に対してアウトの山を築くものの、国内での成績はあまり振るいませんでした。
攻略されてしまったからです。攻略されてしまえば、オーバースローよりもスピードが遅く、変化の方向が限定されるアンダースローの球は、打ちやすい球でしかありませんでした。
また、元木選手や大道選手、川相選手も、場面場面では起用されますが、その打席数の少なさは年俸にも直結し、坂本勇人選手や中田翔選手といった、王道を地でいく選手にどんどん追い越されていきます。
テレビ番組だってそうです。ニッチなテーマを扱って面白かったテレビ番組が、ゴールデンタイムに移った瞬間につまらなくなる。それは、大衆に受けるものを扱うようになって、ニッチなテーマを扱わなくなったことによるのでしょう。
しかし、その番組が当初の面白さを取り戻そうと、ニッチなテーマを扱い始めると、恐らく視聴率は振るわないでしょう。視聴者の一部にしか受けないからこそ、ニッチなテーマなんですから。
もちろん、深夜時代よりは視聴率が取れるのかもしれませんが、同じ時間帯に他の低俗な大衆向け番組を放送する場合に見込める視聴率よりは、低い視聴率となってしまうでしょう。
ワイドショーも同様です。個人的には、下の記事で紹介した宇野常寛さんのような、ニッチで真実をつくような意見が好きですが、それは大衆に受けないのです。
大衆に受けるのは、調子に乗った権力者を叩く報道です。民間放送事業者は、CMを出して協賛する企業からスポンサー料を受け取ることで経営を成り立たせています。
協賛する企業は、スポンサー料の支出すべき放送局について、視聴率を材料に判断します。
だから、民間放送事業者が行うワイドショーは、大衆受けする低俗化した報道を連日繰り広げることになるのです。いくら宇野常寛さんが、それを、マスコミと大衆によるいじめエンターテイメントと評して、問題意識を掲げたところで、資本主義社会におけるマスコミがそのスタンスを変えることはありません。
以上述べたことは、私のブログ運営の中でも、ひしひしと感じることです。
どんなに想いを込めて書いた記事であっても、大衆受けしなければそれは日の目を見ない。一方で、話題のテレビ番組について書いた記事は、多くのアクセスを集める。
しかし残念ながら、私はどちらかというとニッチ側の人間です。好きな歌手は誰?と聞かれて、「水樹奈々」と答えてしまうような人間です。
多分、大衆受けするブログメディアを作る人間としては、向いていないのでしょう。
しかし、ある程度多くの人に見てもらわないと、ブログを続ける気が起きないのも事実です。
なので、このブログはニッチで好きなことを勢いのままに書く記事と、多くの人の目を集めることの記事と、ごちゃ混ぜにしながら、雑記中の雑記ブログとして続けていきたいと思うのです。
おまけ
大きな市場と小さな市場の使い分けが上手いのは、安倍政権だと思います。
1億総活躍を掲げ、日本人全員のためになる政策を行います!と叫びながら、実際に注力するのは、障害者や子育て世代の母親などマイノリティに対しての施策ばかり。
こうすることで、多くの人の支持を得て大きな市場で勝利しながら、実際の活動は小さな市場で行い支出を小さくするということを両立しているのです。
もちろん、これが悪いとは言いません。だって、現在の国家予算はそれだけ逼迫しているのですから。
ただ、この使い分けが非常にうまいなと。そう思っただけです。