天皇が生前退位されるという報道
2016年7月13日、天皇が生前退位される意向を示したという驚くの情報が入りました。実際には、5年前くらいからその御意向を示されていて、現時点で宮内庁次長は「そのような事実は一切ない」と否定されているようですが、NHKも含めて全ての報道機関が一斉に報じたからには、内々にはもう動き始めているということで間違いないでしょう。大体そういうものです。今は宮内庁関係者などと懇意にしている記者が内々に情報を入手したため、情報ソースが明らかにされていないということだと思います。芸能人のスキャンダルならともかく、天皇の進退については噂レベルでは絶対に書けませんからね。表に出していないだけで、絶対に確たる根拠を持っているはずです。
さて、天皇の象徴制をとっている日本において、生前退位による天皇の交代で最も影響を受けるのは元号でしょう。昭和が64年まで続いたにもかかわらず、平成が28年まで到達したのは天皇の御長命の賜物ですが、いずれにしろその終焉が近いことに変わりはありません。次の元号は何になるんでしょうね。
それにしても、ついに平成が「前の世代」になってしまうんですね…。生まれてからずっと平成の世の中で生きてきた私としては、アイデンティティが失われるようで残念です。これまで、同じくらいの年齢で昭和生まれの人を「昭和の人」とか言ってからかっていたのに、これからは私たちが「平成の人」と呼ばれるようになってしまうんですね。
昭和の人なんて、「前の前の世代」になってしまうわけですよ。「2世代前」って、全然感覚つかめないですからね。大正10年が西暦何年なのか聞かれても全然わからなくて「遠い昔」のことだと認識しているように、昭和生まれの人が「昔の人」みたいな扱いになってしまうんですよ。
そんなことない!と言い張る昭和生まれの皆様、それでは、大正時代が何年まで続いたかご存知ですか?
答えは、
「15年」でした。
多くの方は分からなかったと思います。これと同様に、平成が何年まで続いたかは覚えていても、昭和が64年まで続いたことは常識ではなくなってしまうわけです。
平成が終わって欲しくない! 平成を終わらせるくらいなら和暦は廃止してもいいんじゃない?
日本では明治以降一世一代となっていますが、天皇の交代ごとに元号が変わるので、和暦は本当にわかりにくいですよね。
別に元号を変える意味も特に見出せないですし、諸々の形式的なルールを変更した上で、天皇が交代しても「平成」の元号をそのまま続投させることはできないんでしょうか。西暦みたいに2000年以上ずっと同じスケールで測ることができると、時代の感覚がつかみやすいのでそっちの方が絶対に合理的ですよね。
むしろ、今後はすべて西暦に統合して、世界標準に合わせてしまえばいいと思うんですよね。
そんなことを言い出すと、絶対に右側の方から色んなものが飛んでくることになるんでしょうけど、和暦にこだわる人には次の質問を聞いてみたいですね。
平安京の始まりは何年? 鎌倉幕府ができたのは? と。
平安京は794年、鎌倉幕府は1192年と答えるはずです。
ここで、平安京は延暦13年とか、鎌倉幕府は建久3年とか、答えてくる人がいたら、その方には心からの賞賛を送りたいと思いますが、そんな人は日本に1人か2人いるかいないかくらいでしょう。
つまり、現在、日本史の学習ですら西暦が用いられている訳です。
こんな中、和暦にこだわる必要性が一体どこにあるというのでしょうか。
和暦を西暦に直すとか、西暦を和暦に直すとか、その煩雑さが、世界的に見た日本人の生産性の低さにつながっている可能性があります。文書をすべて和暦で作らなければならない公務員の仕事をしていたからこそ、これは実感を持って言うことができます。
今は電子化で多くの書類を未来に残すことができますが、遠い未来から現在を振り返った時、和暦で日付が記された書類よりも、西暦で記された書類の方が親切だと思いませんか??
グローバル人材の育成が叫ばれる現在、暦もグローバルスタンダードに合わせて西暦の使用を基本とし、和暦は残すとしても象徴として残すにとどめるべきなのではないでしょうか。
終わりに
結局、平成はバブル崩壊後の「失われた時代」として日の目を見ることなく終焉を迎えることになってしまうんでしょうか。
イギリスのEU離脱やイスラム国によるテロ活動などで世界情勢は落ち着かず、円高が解消されない厳しい状況ですが、せめて最後にひと花咲かせてから終えたいですね!