あなたはカレーライスをどのように食べますか?
まずはじめに一言言っておくと、これはかなりくだらない議題である。
しかし、今日たまたま新潟帰りに高坂サービスエリアで食べた牛肉カレーが、サービスエリアのレストランのくせに絶品で感動したため、カレーについて書きたい気分なのである。
さて、言い訳はこの程度にして、本題に入りたい。
カレーの食べ方には、大きく3通りあると思う。
第1に、カレールーとライスを完全に混ぜる食べ方。
第2に、カレールーとライスを半分くらい混ぜて食べる(カレーにまみれている白米と、まみれていない白米が混在している)。
第3に、カレールーとライスを一切混ぜず、単にかけた状態で食べる。
なお、もしかしたらカレーをそもそもご飯にかけず、まるでカレーをおかずとして扱うような食べ方もあると思うが、その食べ方は三番目の混ぜずに食べる食べ方に含めることにする。
食べ方なんて人それぞれで、好きなように食べればいいと思うが、個人的には、二番目の、半分くらい混ぜる食べ方が定番になっている。
そのように食べたほうが、カレーライスを存分に味わえるように思うからである。
どうして半分混ぜる食べ方が美味しいのか
どうして半分だけ混ぜて食べる食べ方が美味しいのか、その理由について今日カレーを食べながら思いついたことを述べたい。
それは、経済学で言うところの「効用(utility)」の問題である。
「効用」とは、「自己の消費する財から受ける満足の度合い」のことである。何て言われても意味がわかったようなわからないような状態だと思うので、具体例を交えて説明したい。
例えば、あなたの冷蔵庫に350mlの缶ビールが3本あるとする。このビールが、「財」である。仕事から帰ってきたあなたは、冷蔵庫を開け、1本目のビールを飲み干す。この時に得られる満足度が、缶ビール一本から得られる効用である。1本目を飲んでまだ物足りないあなたは、続けて2本目の缶ビールを飲み干す。さらに、3本目の缶ビールまで飲み干す。
さて、ここで具体的に想像してほしい。
1本目のビールを飲み干すことで得られた効用と、2本目のビール、3本目のビールから得られた効用は同じだろうか。それとも、効用の大きさに順番があるだろうか。
この問いに対して、多くの人は次のように答えるだろう。
1本目のビールの効用が一番大きい
と。
もちろん、飲むについれて酔いは回ってきて、酔い加減で言えば2本目、3本目の方が大きいだろうが、効用とはあくまで「満足度」である。満足度で言えば、1本目のビールが一番大きいというのが大方の意見となることだろう。
このように、同じ刺激を受け続けると段々と効用が低下してしまうのが人間の感覚である。
話が逸れてしまったが、カレーの話に戻りたい。
カレーの食べ方による満足度の違いは、効用の考え方を参考にすれば説明がつく。
まず、一番目の、カレーとご飯を全て混ぜる食べ方。これは、1種類の刺激を延々と受け続けることになるため、効用はどんどん低下していく。ウイスキーのロックを延々と飲み続けるようなものである。
次に、三番目の、カレーとご飯を完全に分離した状態で食べる食べ方。これは、①カレーと②ご飯という2種類の刺激を受けることになるため、一番目の食べ方よりは大きな効用を得ることができる。ウイスキーをストレートで飲んだり、ハイボールで飲んだりを繰り返すようなものである。
最後に、二番目の、カレーとご飯を半分くらい混ぜた状態で食べる食べ方。これは、①カレーと②カレーとご飯が混ざったものと③ご飯という3種類の刺激を受けることになる。したがって、全て混ぜる食べ方や分離した状態で食べる食べ方よりも効用が大きくなるのである。ウイスキーの例で言えば、ストレートで飲んだり、ロックで飲んだり、ハイボールで飲んだりと色々な飲み方を楽しんでいるのと同様である。
なんて、真面目ぶったふりして書いてしまったが、結局は単にカレーの食べ方の問題である。個人的には、半分くらい混ぜた状態で食べることをオススメするが、別にどのように食べたところで文句を言いたいわけではないことを付言したい。