Googleもついに「ら抜き言葉」を…
2016年10月11日から始まったドラマ、「逃げるは恥だが役に立つ」を見逃してしまったので、民法公式テレビポータル「TVer」で見ようと思ったんですよね。
でも、なぜか全然再生されません。再生ボタンを押しても固まってる感じ…。
これまでこんなことなかったのに…。
時間を置いて再度やり直しても、パソコンを再起動しても意味がなくて、試しに、文具ソムリエールの菅未里さんが出演されていたマツコの知らない世界を見てみても、同じ症状が…。
どうやらこれは、TVerかTBS Freeのサーバー側で問題が起きているのでは…と思って、Googleで調べてみました。
「TVer 見られない」
と。
そしたら、TVerとかどうでもよくなるくらい、衝撃が走ったんですよ。
だって、こんな画面が表示されたんです。
もちろん、言語は移ろいゆくもので、文法は自然発生した言語を体系的にまとめたものにすぎないということは承知しているので、文法信者ではないのですが、現在の国文法において、「見れない」というのはいわゆる「ら抜き言葉」であって、正式な国文法で言えば「見られない」が正しいはずなんですよね。
なぜならば、上一段活用の見るという動詞(みない・みます・みる・みる時・みれば・みろ)には、助動詞「れる」ではなくて、「られる」が付くことになっているからです。
参考までに、五段活用とサ行変格活用の動詞には「れる」が付いて、それ以外には「られる」が付くことになっています。
Googleは、より適切な検索結果が表示されるように、こちらが入力したキーワードを修正することがありますが、まさか、ら抜き言葉ではない「見られない」を入力したら「見れない」に強制変換されるとは思いませんでした。
間違いを殊更指摘するつもりはなくても、こちらが正しいことを言っているのに間違っている方に修正されたらちょっと嫌ですよね。
これは、ネットユーザーのうち「見られない」を使う人口よりも「見れない」を使う人口が多くなってきたことの反映なのでしょう。Microsoftの人工知能Tayが、ディープラーニングによりヘイトスピーチを繰り返していた問題とも似ていますね。Tayの場合は意図的で、Googleの場合は意図的ではないという違いはありますが。
それにしても、ここまで普及しているのですから、日本の国文法界もいつまでも「ら抜き言葉」を揶揄していないで、活用の例外のひとつとして認めてしまえばいいと思うんですがね。
ということで、世間に浸透したら抜き言葉はついにGoogleまで侵食しはじめたということでした。
スマホの普及によりGoogle依存症の人口も大分増えたと思いますが、Googleの検索結果はあくまで人類全体の集合知。それが必ずしも正しいわけではありませんので御注意ください。