共謀罪法案、読みにく過ぎ!!
先日、次のような記事を書きました。
この記事の中でも書いた通り、本法案の問題点と、各論点についての賛成派・反対派の意見について整理しようと思い、現在作業中なのですが、ひとつ大きな難点が・・・。
それは、組織犯罪処罰法改正案(共謀罪法案)がすごく読みにくいということです。
具体的に条文を見て頂いた方がその読みにくさが伝わると思うので、まずこちらを御覧ください。
この「第6条の2」というのが、いわゆる「共謀罪」の規定として世間を騒がしている規定なのですが、どういった犯罪に共謀罪を適用するのかというと、左から6行目以下に記載のあるように、「別表第4に掲げる罪」のうち、法定刑がそれぞれの要件を満たすものとなっています。
じゃあ、別表第4ってどんなの?って見てみると・・・
「別表第3に掲げる罪(次に掲げる罪を除く)」って、また別の表に飛ばされるのか・・・。
仕方ない、別表第3を見てみるか・・・
(いろは歌長すぎるよ・・・)
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<中略>
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(ねえ、まだー)
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<中略>
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(どこまで別表第3が続くんだorz)
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<中略>
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ふぅ。
で、なになに、これらのうちから、別表第4に掲げてある罪を除けって?
(出典:法務省:組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)
正直、読みたくないよね。こんな法律。
そして、読んだところで頭に入ってこないよね。
ただ羅列されてるだけだし。
ちなみに、朝日新聞が、こちらの記事で具体的に対象となる罪を全て列挙しているけど、もし人力で書き出したんだとしたら大変だったろうなぁ(実際のところは、多分羅列されたデータを法務省から貰ったんだろうけど)。
こんなに読みにくかったら、普通の国民は読まないよね。
日本では罪刑法定主義がとられていて、罪となるべき行為とそれに対する刑罰を法律で明確に定めることで予測可能性を確保し、国民の行動の自由が制約されないようになっているんだけど、こんな読みにくすぎる法律は、予測可能性を害してるよね。間違いなく。
せめて、各個別法の中に入れ込んでほしかったなぁ。
普通の未遂罪とか予備罪とかのように。
まあ、組織犯罪のみを対象としていて、組織じゃない者の共謀は対象としないっていう理由で、こんな形の定め方にしたんだろうけれど・・・。
ほんと、単に正確に記述してさえあれば、法律の読みにくさとか関係ないっていう最近の風潮、どうかと思うなぁ(会社法とか、比較的新しめの行政法とかね。改正民法もその風潮あるよね)。
もともと、刑の長期が4年以上の犯罪を包括的に共謀罪の対象としていたのから比べれば、対象とする罪が減少したはいいものの、わかりにくさが10000倍になってるよね。
と、まあそんな感じで、(組織犯罪処罰法改正案)に関してはこういう面からも問題があるなぁと。
冒頭で述べた問題点の整理については、明日以降に公開します。
→書きました