西尾維新大辞展に行ってきた!
数ヶ月絵前からずーーーーーーっと楽しみにしていた企画展、西尾維新大辞展!
戯言シリーズ、物語シリーズ、掟上今日子の備忘録、めだかボックスといった数々の作品を生み出してきた作家、西尾維新の15周年を記録する展覧会です。
開催場所は、銀座にある松屋8階の催事スペースでした。
「デパートの催事スペースって、そんなに大したことないんじゃないの?」
なんてそこのあなた、もうね、まずは足を運んでみてほしいです。
とんでもない世界が広がっていますから。
自分自身、行って本当によかった! 元気が出た!!
もう一度行こうって思うくらい。
今行こうかどうか迷っている方は絶対行ったほうがいい。
ぼっちでも全然気にならないですから(というか、音声案内があるし活字が多いからパートナーがいると逆に邪魔)。
この記事では、そんな西尾維新大辞展の魅力を少し、紹介したいと思います。
なお、この記事に掲載している写真は、写真撮影が許可されているものだけなので、展示のごく一部であるということを念頭に置いてください。
公式動画
と、その前に、今回の展覧会の公式紹介ムービー。
この動画に出演している声優の豪華さから、この展覧会への力の入れようが分かって頂けるのではないかと思いますが、ほんっとーに全力で作られた展覧会です。
内部の様子
まず入ると、西尾維新が創り出してきたキャラクターが勢揃いした横長の1枚パネル。
戯言シリーズの面々や、
物語シリーズ、忘却探偵等の面々。
こうして見ると、やっぱり羽川翼と掟上今日子は同一人物にしか見えませんね。
そして、写真撮影が禁止されているので写真がないのですが、この一枚絵の横に、まるで辞書のように「あかさたな」で整理された、これまでの西尾作品の解説と、それについての西尾先生のコメント、さらにはそれに関連するアトラクションが数多く展示されているのです。
たとえば、文字を使って偽物語における暦と火憐のバトルを再現したりする映像作品や、
西尾維新先生のタイピングをそのまま再現した、先生の作業場再現スペースもありました。
意外にこじんまりしていますね。
ちなみに、画面内でゴーストタイピングされているのは、未発売の美少年シリーズ最新作『美少年椅子』でした。
特別なソフトを使って、先生が実際に原稿を作成しているのを記録して再現したということですが、「魹ヶ崎(とどがさき)」という名前を打つのにすごい苦労していたのがツボでした。
タイピングスピード自体は普通で、西尾維新先生も実在の人物だったんだなぁということを感じることのできる、温かみのある展示なのですが、既存の文章を打っている訳ではなくて、ゼロから新しい作品を創り出してタイピングしているわけで…。そう考えると、やはり西尾維新先生は化物だと思います。
特におすすめの展示
今回の展覧会で特におすすめだったのが、「戯言スポットライト」でした。
プロジェクションマッピング技術を用いた、戯言シリーズに関連する展示です。
言葉では伝わりづらいので、ひとまず画像を。
いきなり西東天。
からの、零崎!
このように、展示されたキャラクターの絵に当たったスポットライトに合わせて、それに関連する文章が表示されるのですが、さすがは戯言シリーズ。
名言の嵐です。
そして、完全にランダムで表示されているようで、一体どれだけの種類があるのか分かりません。
いーちゃんと想影真心。
欠陥製品と人間失格の会話もこのように再現。
このような、一見さりげない会話でも、あの壮大なストーリーが想起されますね。
これ以外にも、もっと沢山のセリフの種類があります。ここだけで1日過ごせそう。
断片小説の朗読が豪華
西尾維新オフィシャルサイトに掲載されている、これまでの作品のコラージュである「断片小説」。なんとこれが、物語シリーズの主人公阿良々木暦の声優である神谷浩史さんと、戯言シリーズの主人公いーちゃんの声優である梶裕貴さんがが朗読している音声が流されているコーナーもあります。
つまり、
零崎人識の「殺して解して並べて揃えて晒してやんよ」、
鑢七花の「やってみろーーただしその頃にはあんたは八つ裂きになっているけどな」
いーちゃんの「戯言だけどね」
掟上今日子の「またいつか、どこかでお会いしたときは、一から口説いてくださいね」
といったようなセリフが、神谷ボイスで聞けてしまったりするわけですね!
混物語以上のクロスオーバー!
西尾維新描き下ろしコラムの量が膨大すぎる
これまでザレゴトディクショナルのような例外はあるものの、基本的にコラムを書かれてこなかった西尾維新先生ですが、この展覧会の展示にあたっては、膨大な量のコラムを書き下ろされています。
そして、その内容が、ファンとしてはすごく面白い。
例えば、「あいさつ」はもちろん、「西尾維新を紐解く24のキーワード」として、「①全知」「②ミステリー」「③クズ」というような、西尾維新作品に共通するテーマについて語る文章や、「食べ物」や「旅」、「探偵」、「名付け」というテーマで先生の思うところを語る文章だとか、膨大な量の描き下ろしコラムが、展示会の随所に散りばめられています。
そのおかげで、実際のスペース以上に、広大な空間が広がっているように感じます。まるで、1冊の本には、漫画20冊分くらいの世界がつまっているみたいに。
急ぎ目にまわっても1時間以上かかったので、じっくりすべての文章を読みながらまわると、3時間くらいかかるのではないでしょうか。
何より音声ガイドがすごい!
今回の展示の目玉は、やはり各キャラクターによる音声ガイド!
①いーちゃん&玖渚友(戯言シリーズ)
②阿良々木暦&忍野忍(物語シリーズ)
③哀川潤(戯言シリーズ)&掟上今日子(忘却探偵シリーズ)
の3種類の音声ガイドがあり、1回2000円するのでなかなかお財布泣かせではあるのですが、それだけ出す価値のあるくらい、豪華な音声ガイドです。だって、音声ガイドの内容も、西尾維新先生が書かれているのですから。DVDの副音声のキャラクターコメンタリーが好きな人は、絶対に楽しめると思います。
私はひとまず、戯言シリーズの2人組のを聞いて回っていましたが、完結から10年ほどたった戯言シリーズの登場人物が、昔を懐かしみながらトークをするような、とても楽しい内容でした。正直、聞いてるだけでニヤニヤしてしまうような。でも大丈夫です。周りもみんな、音声ガイドのヘッドホンをつけてニヤニヤしてますから。
会場に行けない!という方は
西尾維新大辞展は、東京では8月7日まで、大阪では8月9日〜8月21日という、短期間の展示なんですよね。こんなに力が入っているのにもったいない。
人によっては、この時期に行けない、東京・大阪まで遠いという方もいらっしゃると思います。
そんな方は是非、会場で販売されている西尾維新大辞展のパンフレットを入手されることをおすすめします。
パンフレットなのに2400円もするのですが、全ページフルカラーで、この展覧会の展示内容が全て綺麗にまとめられています。西尾先生の書き下ろしコラムも含めて。しかも、音声ガイド③(哀川潤&掟上今日子)の原稿まで載っています。
もちろん、音声ガイド①と②の内容は会場でしか知ることができないですし、まるで辞書の世界の中、西尾維新ワールドにいるかのような感覚は会場でしか味わえないので、できるならば会場に足を運ぶのが一番ですけれどね。
おわりに
西尾先生はこれまで、1500万文字もの文章を書かれてきたそうです。
1500万文字というと、想像がつかないのですが、400文字の原稿用紙であれば、37500枚分です。
私に身近なブログでいえば1つの記事が1000文字だとして、15000記事ですからね。
しかも作品のどれも、クオリティが非常に高い。
正直、先生は執筆スピードが早すぎて、15周年と言われても、「え?まだそんなもんなの?」と逆に驚いてしまう程なのですが、これからも是非楽しい作品を沢山作りだして、1億文字を達成してください!
P.S.
最近忍物語など随所で、「りすかの新作を17年後に書く」とおっしゃっていますが、それだと15年後の、西尾維新30周年を記念した「西尾維新大辞展2」に間に合わないので、もっと早く書いてくださるとありがたいです。